TOPPANの
カラーマネジメント技術を
高い専門性を持って発展させたい
Q1 現在の業務内容
担当領域と業務内容について教えてください。
クラウド型カラーマネジメントサービス「CAM-FIT」の開発を担当しています。
カラーマネジメントとは、カメラ・モニター・プリンターなど異なるデバイス間で、意図した色を正確に再現するための技術です。「CAM-FIT」は、撮影画像をクラウド上で解析し、撮影環境に応じて自動で色補正を行うサービスです。
私は主に、色変換アルゴリズムの改良と安定性検証を担当しています。さまざまな色温度や照明条件を想定した撮影実験を実施し、実使用環境でも再現性を保てるモデル設計を行います。また、情報技術研究所と定期的に研究会を開催し、数理モデルや評価指標の見直しを行うなど、基盤技術の高度化に取り組んでいます。
Q2 入社後の経験
1年目、2年目、3年目に何を経験しましたか?
基礎技術の習得
大学院では情報工学を専攻し、文化財の3次元アーカイブ研究を通じて色再現技術に関心を持ちました。文化財を「色まで含めて正確に残す」取り組みに魅力を感じ、TOPPANを志望しました。
入社後は情報技術研究所で約3カ月の研修を受け、色空間、プロファイル変換、分光特性などカラーマネジメントの基礎を体系的に学びました。研修後は実務に入り、色補正処理の評価や検証業務を担当。理論と実務の接続を意識しながら基盤理解を深めました。
トライアル対応と顧客折衝
「CAM-FIT」のトライアルを10社以上の顧客に対して実施しました。EC事業者を中心に、実際の撮影環境での色変換結果を検証し、課題を抽出しました。
技術的な内容を顧客に説明する機会も多く、検証結果の整理や資料作成を担当しました。相手がどのような情報を求めているのか考え、お客様目線で資料を構成するなど、伝達方法を見直しました。
アルゴリズム改良による品質向上
トライアルで判明した課題の解決に向け、色変換アルゴリズムの構造を見直しました。実環境では色温度や照明条件が大きく変動し、想定外の色補正が発生するケースがありました。
原因を分解し、どのような環境で撮影された画像でも品質が破綻しないよう、研究所と連携しながら補正ロジックを再設計しました。検証と改良を1年以上継続し、最終的に運用に乗せることができました。
特にやりがいを感じた仕事や
大変だった仕事を教えてください。
「CAM-FIT」の品質改善に向けたアルゴリズムの再設計です。トライアルで、実使用環境では色変換が安定しないケースがあることが判明しました。撮影時の色温度や照明条件の違いを要因として分析し、課題を整理。情報技術研究所と連携しながらアルゴリズムの構造を見直し、再設計を行いました。検証と改良を繰り返すプロセスには1年以上を要しましたが、最終的に「運用に乗せても問題ない」と評価を得られたことにやりがいを感じました。
これまでの経験を通じて、学んだことや
自分が成長したと感じることはありますか?
技術面では、色変換モデルの設計から評価まで一貫して担当できるようになりました。問題発生時に現象を分解し、仮説を立て、検証結果をもとに改善策を提示するプロセスが定着しました。
また、顧客対応を通じて説明力も向上しました。自分が伝えたい情報ではなく、相手が判断に必要とする情報を整理する視点を持てるようになりました。専門性と実務推進力を両立する重要性を学びました。
Q3 今後のキャリア
これから挑戦したい仕事や役割、目指している姿はありますか?
将来的には、文化財アーカイブ分野でカラーマネジメント技術を活用したいと考えています。色の再現性を高めることで、文化資産をより正確に保存・共有できる仕組みづくりに貢献したいです。
そのために、印刷、モニター、分光測定などデバイス横断の知識をさらに深め、TOPPANのカラーマネジメント技術を発展させられる専門性を磨いていきます。基盤技術の深化と応用展開の両立を目指します。
所属・インタビュー内容は取材当時のものです