ミクロン単位の世界で、
電子機器の信頼性を支える
Q1 現在の業務内容
担当領域と業務内容について教えてください。
新潟工場にて、FC-BGA(半導体パッケージ基板)の無電解銅めっき工程を担当しています。無電解銅めっきは、化学反応を利用して金属を析出させる工程で、電気を使用せずに微細な穴や配線へ均一に成膜できる点が特徴です。ミクロン単位の精度が求められるため、わずかな条件差が品質に直結します。
日々の業務では、薬液濃度・温度・処理時間などの条件を管理し、異常が発生した場合にはデータをもとに原因を分析し改善を行います。また、新規ライン増設に伴う装置導入の技術評価も担当。単体評価からライン評価へ段階的に検証を進め、量産に適した条件を確立した上で現場へ展開します。
さらに、レーザー穴あけ後の微細残渣を除去するデスミア工程の安定化にも関与し、前後工程との連携を踏まえた最適条件を検討しています。工程単体ではなく、全体最適を意識しながら品質を支えています。
Q2 入社後の経験
1年目、2年目、3年目に何を経験しましたか?
工程理解と量産思考の習得
大学では材料工学を専攻し、半導体分野でものづくりに携わりたいと考え入社しました。1年目は製造現場に入り、工程の流れや条件設定の背景を学びました。研究とは異なり、量産では再現性と安定性が最優先されることを実感。各工程がどのように最終品質へ影響するのかを理解することに注力しました。
良品率改善への挑戦
電解銅めっき工程の良品率改善を担当しました。不良要因を分析し、電流密度や処理条件の変更を検討。仮説が外れることも多く、評価と条件修正を繰り返しましたが、最終的に歩留まり向上につながる条件を確立しました。改善成果が数値として現れ、量産条件へ反映された経験は大きな自信となりました。
工程責任と新規装置評価
無電解銅めっき工程を主担当として任され、日常管理から異常対応までを担っています。また、新規装置の技術評価にも携わり、単体検証からライン展開までを経験。工程全体を考慮しながら条件設計を行う視点が身につきました。
特にやりがいを感じた仕事や
大変だった仕事を教えてください。
良品率改善の取り組みで、条件変更が明確に成果へ結びついた経験です。不良率が低下し、現場からも安定稼働の評価を得られたとき、自分の検討が工程へ反映された実感がありました。
また、新規装置の立ち上げでは、量産条件を設計する難しさがありますが、自分が確立した条件が工場標準として運用される点にやりがいを感じています。工程の安定化が製品信頼性に直結する責任を担っていることが、日々のモチベーションにつながっています。
これまでの経験を通じて、学んだことや
自分が成長したと感じることはありますか?
技術面では、薬液反応や析出メカニズムへの理解が深まり、データに基づいた条件設計ができるようになりました。不良発生時も原因を切り分け、再発防止策まで組み立てる力が向上しました。
また、工程は複数部署との連携で成り立っているため、課題発生時には自ら情報を集め、関係者と議論しながら解決策を整理する姿勢が身につきました。担当工程を任される立場としての責任感と判断力が大きく成長したと感じています。
Q3 今後のキャリア
これから挑戦したい仕事や役割、目指している姿はありますか?
今後は、シンガポール新工場の立ち上げを成功させ、安定した生産体制を構築することが直近の目標です。海外拠点での立ち上げ経験を通じて、技術力だけでなく、異文化環境での推進力も磨きたいと考えています。
将来的には、特定工程にとどまらず、拠点や事業を横断して技術やノウハウをつなぐ役割にも挑戦したいです。半導体分野の成長を支えるエンジニアとして、品質と生産を両面から支え続けたいと考えています。
所属・インタビュー内容は取材当時のものです