パッケージの枠を超え、
体験をデザインする。
Q1 現在の業務内容
担当領域と業務内容について教えてください。
食品パッケージのアートディレクターとして、コンセプト立案からデザイン・構造設計のディレクションを担当しています。近年はパッケージ制作にとどまらず、制作したものを拡販するためのWeb施策やプロモーション企画まで提案領域を広げています。
業務は大きく三つあります。
一つ目が自主企画提案活動で、得意先から明確に依頼を受けて提案をするのではなく、得意先へトッパンからアプローチし、課題のヒアリング、与件整理、提案の方向性・骨子立案、コンセプト~具体的なアイデア提案を行う活動です。
二つ目がクリエイティブ制作の進行管理で、受注が決定した得意先案件において、クリエイティブの品質を高めるために制作~修正~校正~行程調整に至るまで細部を管理します。高いクリエイティブを提供することが次の仕事に繋がります。
三つ目が広報・宣伝活動です。制作実績を社内外に発信し、トッパンの企画価値を高めるために、部門サイトの運営や各種パッケージアワードへの応募などを積極的に実施しています。
どの工程でも実制作は外部デザイナーと連携し、私は「誰と組み、どの方向性で課題を解くか」という上流設計に注力します。印刷・加工技術を組み合わせながら、ブランドの世界観を最適な形で実装する役割を担っています。
Q2 入社後の経験
1年目、2年目、3年目に何を経験しましたか?
社会実装されるデザインの責任
領域横断的にデザインを学ぶ中で、商品パッケージに魅力を感じ、製造設備を活かしたモノづくりができ、事業領域が広く様々なソリューションをかけ合わせて提案できるトッパンに入社しました。
1年目はデザイン業務の一連の流れを習得することを目標に、食品・化粧品・トイレタリーなど様々な業界のパッケージ企画を経験しました。
特に印象的だったのは、アレルゲン表記や著作権など、些細なミスが重大な影響を及ぼすという現実です。学生時代の創作とは異なり、自らのアイデアを社会へ送り出すからこそ伴う、プロとしての責任と確認プロセスの重要性を学びました。その分、自分が初めて担当したパッケージが店頭に並び、地元の両親にも購入してもらえた時の喜びはひとしおでした。
言語化と社会的意義の再認識
普段の業務とは少し異なるイレギュラーな案件ですが、顧客企業の中学校向け出前授業で講師を務める機会がありました。パッケージデザインの役割を分かりやすく説明する過程で、自身の業務の社会的意義を整理する機会となりました。また、中学生が相手だからこそ、わかりやすく・面白く伝えられる言葉を選び、話し方を工夫する必要があり、プレゼンの仕方の見直しにもなりました。
同時に、日々の業務では提案機会が増え、自身のアイデアが採用される場面も増加しました。企画の質や魅力的な見せ方だけでなく、伝え方や根拠設計の重要性を強く意識するようになりました。
ビジネス視点の獲得
提案活動が増え、パッケージに加えWebやプロモーション領域の受注にも関わりました。受注した案件をスムーズに進行することだけでなく、案件の領域を広げてより生活者の方にパッケージを通じて楽しんでいただくための施行錯誤をするようになりました。
特にやりがいを感じた仕事や
大変だった仕事を教えてください。
パッケージ構造からデザイン、Web施策までを一貫して設計した高難易度案件が印象に残っています。複数の関係者と調整を重ねながら、パッケージデザインの提案にとどまらず、WEB・プロモーションと案件の領域を広げていくことで、一つのパッケージで楽しいコミュニケーションの時間が生まれるように体験設計をしました。
店頭展開やSNSでの反応を確認した際、設計段階で描いたストーリーが実装されていることを実感しました。クリエイティブが生活者接点で機能する瞬間に立ち会える点が、この仕事の醍醐味です。
これまでの経験を通じて、学んだことや
自分が成長したと感じることはありますか?
発想力と段取り力の両立が大きな成長です。
アイデア出しをする時は、常に新しい視点を一つ加えることを意識しています。日常的なインプットを重ねながら、製造ができるトッパンの強みを生かした提案を行う姿勢が定着しました。法務部門との連携を通じて著作権や商標の知識も深まり、プロとしての判断基準が明確になっています。
また、試作の領域を広げれば広げるほど関係者も多くなる中で、確認精度と工程設計の重要性を徹底的に学びました。
Q3 今後のキャリア
これから挑戦したい仕事や役割、目指している姿はありますか?
今後も引き続き、パッケージを起点に売り場什器やキャンペーン、デジタル施策までを統合できるアートディレクターを目指します。パッケージ単体での表現ではなく、生活者との接点全体を設計することで体験価値を高めたいと考えています。
構造設計の知識と企画力の双方を深化させ、商品開発段階から関与できる存在になることが目標です。市場ニーズと自社技術を結びつけ、ゼロから価値を創出できるクリエイティブディレクターを目指したいです。
所属・インタビュー内容は取材当時のものです