第9章 地震が来た場合の基本対応
1. まず、身の安全を確保する
緊急地震速報を見聞きしたり、地震の強い揺れを感じたりした場合は、周りの人に声をかけながら自分の身を守ることを最優先に考えます。緊急地震速報を受信した場合も、強い揺れが来るまでの時間は数秒から数十秒程度しかないといわれています。周りの様子に注意しながら、物が「落ちてこない」「倒れてこない」「移動してこない」場所に移り、揺れが収まるのを待ちましょう。
屋外にいるときは、ブロック塀やガラスから離れてください。屋内の場合は、丈夫な机やテーブルの下に隠れるか、座布団やクッションなどで頭を保護します。座布団やクッションがないときは、手のひらで覆うようにして頭を守りましょう。転倒した家具や飛び散ったガラスなどでケガをする可能性もあるので、あわてて外に飛び出さないことが大切です。
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短時間での判断が生死を分けることもある
2. 火元確認は揺れが収まってから
料理中など火を使っているときに大きな揺れが起こった場合、無理に火を消そうとすると高温になった油などでケガをする危険性があります。また、現在の都市ガスやプロパンガスなどは震度5程度の揺れで自動的にガスメーターがガスの供給を止める設定になっています。同様に石油ストーブにも対震自動消火装置付きの製品があり、地震によって出火する可能性は低くなりつつあります。
そのため、地震が発生した場合は、まず身の安全を確保することを最優先してください。一度、丈夫なテーブルの下などに身を伏せ、揺れが収まってから火を消しましょう。もし、出火していた場合は、周囲の人に助けを求め、消火器などで初期消火を行います。
■東日本大震災の発生時、火を消したタイミングは?
3. 周囲を確認し出口を確保する
揺れが収まったら、まずは周囲の安全を確認します。室内の場合は、いつでも避難できるように、部屋の窓やドアを開けて避難経路を確保しましょう。転倒した家具や落下物、散乱したガラスなどでケガをする可能性があるので、底の厚いスリッパなどで足を保護してください。火災や爆発の危険があるため、火を点ける、ブレーカーを上げて通電させる、電気のスイッチに触ることは止めましょう。
また、屋根瓦や看板、窓ガラスなどが落ちてくる可能性があるので、あわてて外に避難することも避けてください。
■揺れが収まった後のNG事項
4. 家族や周りの人の状況を確認
大地震が起こった場合、誰でも自分の命を守ることで精一杯になるものです。そのため、自分自身や周囲の人がケガをしていても気づかないことがあります。揺れが収まったら、家族など一緒にいる人たちとお互いのケガの有無を確認し、軽いケガをしていた場合は応急処置を行いましょう。
一緒にいる人の安否を確認できたら、隣人など近隣の人たちの状況を確認します。ケガをしたり家具などの下敷きになったり、閉じ込められたりしている人はいないかをチェックしてください。
なお、発生直後に多くの人が電話をかけてしまうと、電話がつながりにくい状況(輻輳)を招くため、電話や携帯電話の使用は控えましょう。
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いざというときは助け合う精神が大切だ
5. 正しい情報を入手する
災害時はデマが飛び交いやすいものです。間違った情報に従って行動したりすると、予想外の危険に晒される可能性もあります。行動を起こす前に、ラジオやテレビ、行政や消防署のサイトなどを確認して正しい情報を入手するようにしましょう。その際、TwitterやFacebookをはじめとするSNSも貴重な情報源となりますが、不正確な情報も拡散されてくることには注意が必要です。
なお、救急・救助活動に支障をきたす場合がありますので、消防署や警察などに災害の状況等の問い合わせを行うことは避けましょう。
■災害時に役立つホームページ
首相官邸 | https://www.kantei.go.jp/ |
内閣府 防災情報のページ | http://www.bousai.go.jp/ |
国土交通省 災害・防災情報 | http://www.mlit.go.jp/saigai/ |
国土交通省 防災情報提供センター | http://www.mlit.go.jp/saigai/bosaijoho/ |
国土交通省 川の防災情報 | http://www.river.go.jp/portal/#80 |
国土交通省 気象庁 | http://www.jma.go.jp/jma/index.html |
総務省 消防庁 | https://www.fdma.go.jp/ |
警視庁 道路における交通規制 | https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/kotsu/doro/index.html |
NHK 各地域災害情報 | https://www5.nhk.or.jp/saigai/ |