患者がん細胞から培養した“患者アバター”を用い、治療効果を予測できる検査システムを開発しています。患者毎に体外で薬効評価/選定することを可能にし、更なる個別化医療の発展に貢献します。


個別化医療の発展に向けて
がんの診断や治療が日々進歩する中、従来の画一的な治療ではなく、がんと関係する遺伝子の検査によるがん個別化医療が行われ始めています。



しかし、遺伝情報のみでは治療に繋げられない患者が多く存在しています。この課題を解決すべく、私たちの独自技術invivoid®で作製した“患者アバター”を用いて、直接抗がん剤の薬剤応答を評価する検査システムを開発しています。



invivoid®による検査システム
本システムでは、患者1人に対し約100個の”患者アバター”を作製し、1回の検査で複数種類の薬剤応答(プラチナ製剤・分子標的薬・免疫細胞療法など)を測定することが可能です。また、従来の網羅的遺伝子検査より短期間で結果をお届けすることを目指しています。




パイロット研究における臨床的有用性の検討
公益財団法人がん研究会(JFCR)との共同研究により、進行大腸がん患者様を対象とした前向き観察研究(パイロット研究)を実施いたしました。本研究では、臨床現場における標準的な一次治療(ファーストライン治療)の実際の成績と、当社の3D細胞培養技術「invivoid®」プラットフォームを用いて評価した「薬物感受性プロファイル」を比較検証し、実臨床における有用性を検討しました。

臨床転帰(無増悪生存期間:PFS)との相関
本研究では、患者由来がん細胞移植(PDX)モデルから確立された基準を修正・最適化した「薬剤反応評価アルゴリズム」を導入しています。このアルゴリズムを用いることで、実際の患者様の無増悪生存期間(PFS)をはじめとする臨床転帰を予測できる可能性が示唆されました。


  • 感受性あり群(Sensitive:n=17、青線):invivoid®により薬物に対する感受性が高いと予測された患者群において、無増悪生存確率の維持が観察されました。
  • 耐性あり群(Resistant:n=4、オレンジ線):薬物に対する感受性が低いと予測された患者群において、早期の病勢進行が観察されました。

実臨床を想定した検査実施状況と所要日数(TAT)
患者様一人ひとりに適した治療情報を提供するため、本システムの実臨床における運用可能性を評価し、以下の結果が得られました。
  • 検査成功率:検体受領から医師へのレポート作成にいたる検査成功率は80%以上となりました。
  • 検査所要日数(TAT):平均TAT(Turn Around Time)は10.5日でした。これにより、治療方針を検討する期間内において、医師へ速やかに評価レポートを提供可能であることが確認されました。