invivoid®テクノロジーはTOPPANホールディングス株式会社と大阪大学松崎典弥教授が共同で開発した複数の細胞培養メソドロジーの総称です。それぞれのメソドロジーには特徴があり、用途に応じて使い分けが可能です。

メソドロジー1 :
CVA(Cell Viscous Assembly)法


原理

ヘパリンとコラーゲン(タイプI)を用いた独自の製法により、細胞同士が強力に凝集して粘稠体を形成し、コラーゲンによって細胞の接着が誘起されて、三次元組織を構築することができます。
各種の細胞が相互作用しながら自己組織化し、毛細血管ネットワークなどの構造を有する組織が形成されます。
細胞一層ずつ積層する必要はなく、300μm程度までの厚さの組織を1ステップで作成できます。さらに、ステップを繰り返すことで、多層構造を持つ組織も簡便に作成可能です。

特長

層構造をもつ共培養

共培養における細胞の位置や状態を設計し、作成・培養維持することが可能。


5層構造をもつ共培養組織の例

自己組織化による構造

血管内皮細胞による毛細血管ネットワークの形成、細胞の配向など、自己組織化により構造を形成可能。


類洞ネットワークをもつ肝臓共培養組織の例
*緑:抗アルブミン抗体(肝細胞)
*赤:抗CD31抗体(類洞内皮細胞)

多様な細胞ソースへの対応

患者由来細胞やセルライン、iPSC/ESC由来細胞などに幅広く対応。


患者由来初代がん細胞培養の例。
2D単培養では高価な培地でないと培養できないが、invivoid®がん/間質3D 共培養モデルでは、安価な成長因子フリー培地で培養可能。


メソドロジー2 :
CMF(Collagen Microfiber)法


原理

コラーゲンスポンジをホモジェナイズ、凍結乾燥することにより分散性が高い断片化したコラーゲン繊維を作成します。
CVA法と異なり、分厚くコラーゲン密度の高い組織を作製することができます。
また、細胞一層ずつ積層する必要はなく、5mm程度までの厚さの組織を1ステップで作成できます。


特長

高い細胞支持/水分散性

CMFはコラーゲン特有の水不溶性を維持したまま、分散性を高めた微細繊維


化学的な処理で分解したゼラチンやコラーゲンぺプチドとの比較

コラーゲンの開繊による微細繊維化

培養液中にて分散しやすく、細胞の足場として最適


光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡における観察像
と算出した繊維の太さ

分厚く、コラーゲン密度の高い組織を作製可能

1mmを超える厚い組織でも内部まで細胞が分散し、生存


がん細胞および線維芽細胞を用いた
3D細胞組織の断面

厚み、硬さを調整可能

組織内のCMF量を変えることで、厚み硬さを制御可能


CMF量を制御した際の弾性率。
細胞の位置制御を行い、移動進度測定も可能。