銀行や保険会社からの通知物は「必ず紙の郵便で」の回答が多数
「ポイントの付与」や「保管・検索の利便性」が電子化許容の条件に

 TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANエッジ株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:添田 秀樹、以下 TOPPANエッジ)は、20歳以上の男女3,000人を対象に、企業・自治体が送付することのある郵便物121種類について、通知の電子化に対する受け取り手の意向に関する自主調査を実施しました。今回は本調査の結果とともに、郵便物の種別や性質、受け取り手の年代などによる電子化に対する意向の変化について分析結果を発表します。

 スマートフォンの普及や行政によるDX(デジタル・トランスフォーメーション)の推進などによって、従来企業・自治体から郵便物で届けられていた生活者への通知は電子化が進んでいます。特に2024年秋ごろに実施される郵便料金の値上げは、企業・自治体にとってのコスト負担の増加につながるため、今後郵便物の電子化がさらに加速していくと考えられます。

 TOPPANエッジは従来から生活者の意識と企業から届く通知物を取り巻く実態や時系列変化から見えるトレンドの定点的な把握を目的に、企業から届く通知物に対する生活者の意識・行動についての自主調査を実施しています。
 今回、本調査を実施し、企業・自治体からの通知の電子化に対し受け手となる生活者はどのような印象を持ち、どういった行動変化が起こるのかを分析することで、企業・自治体と生活者のコミュニケーションの最適化に貢献します。

調査結果の概要

1. 銀行や保険会社からの通知物は「必ず紙の郵便で受け取りたい」という回答が多数。一方でメーカーや小売店などの商品・サービス案内は「電子化を許容する」割合が高い傾向に。
2. 郵便物の電子化は、高齢層よりも若年層の方が「許容する」割合が高い。
3. 通知物を「必ず紙の郵便で受け取りたい」と思う理由は、約57%が「届いたことに気付きやすいから」。
4. 「必ず紙の郵便で受け取りたい」通知物の電子化に許容できる条件は、「ポイントの付与」や「保管・検索の利便性」という回答が多数。

調査手法

調査手法:WEBアンケート
調査対象:全国の、自分宛ての郵便物を1週間で1通以上受取り、かつ開封している方3,000名(20代~70代以上の男女)
調査実施期間:2024年2月15日(木)~22日(木)
対象の郵便物:企業や自治体などが送付することがある 郵便物121種類。TOPPANエッジが受託しているビジネスメールに加え、2003年から収集している「DMライブラリ®」にて保管しているダイレクトメール約6万点の中から、代表的な通知物である121種類を選定。

1.銀行や保険会社からの通知物は「必ず紙の郵便で受け取りたい」という回答が多数。
一方でメーカーや小売店などの商品・サービス案内は「電子化を許容する」割合が高い傾向に。

銀行や保険会社からの通知物は「必ず紙の郵便で受け取りたい」という回答が多数。

 銀行や保険会社からの通知物は、読まないことによって損失を被る可能性が高い重要な通知が多く、生活者自身の利益に関わる通知物だと認識されています。また、「自分にとって難しい内容の通知だ」という印象が、「よく読まないといけない」「読み返せるようにしないといけない」という不安を生じさせている可能性があるため、存在に気づきやすく、じっくり読んで内容を確認できる紙での通知を求められる傾向が強いと考えられます。
 一方、メーカーや小売店からの通知は、商品・サービスの販促的な情報が記載されたものが多く、読まないことによる損失が少ないため、スキマ時間に読める手軽な内容であれば、スマートフォンなどの持ち運べる電子での通知が好まれると考えられます。しかし、同じメーカーからの通知の中でも、読まないことによって損害を被る可能性が高い「リコール通知」は、「通知が埋没しづらい」紙での通知が求められる傾向があると考えられます。

2.郵便物の電子化は、高齢層よりも若年層の方が「許容する」割合が高い。

郵便物の電子化は、高齢層よりも若年層の方が「許容する」割合が高い。

 若年層は、幼い頃からデジタルデバイスが身近で、電子通知に慣れており抵抗が少ないと考えられます。一方、高齢層は主な情報源に「新聞」と回答している方が多く、情報と紙媒体の親和性が高い傾向です。電子通知と言われる中でも、視力の衰えなどから、画面が小さいスマートフォンではなくパソコンから情報を得る割合が高いのも特徴です。
 ただし高齢層であっても、電子通知を許容する生活者は多数いることも本調査で確認できており、「高齢層は紙の通知にこだわっている」という偏った認識は持たれるべきではないと考えられます。高齢層への電子での情報伝達は、通知方法の説明や、文字の大きさ、色使いなどのコンテンツの見せ方に一段と配慮して行う必要があると捉えるべきだと考えられます。

3.通知物を「必ず紙の郵便で受け取りたい」と思う理由は、約57%が「届いたことに気付きやすいから」。

通知物を「必ず紙の郵便で受け取りたい」と思う理由

  紙の通知物は、電子通知物と比べて制作・発送コストが高く、絶対数が少ないのが現状です。一方の電子通知物、特にメールは1日に数10通、時には100通以上届くこともあり、重要な通知が埋没してしまいやすい傾向にあります。
 「埋没しづらい」「あとで見返しやすい」といった理由から、特に金融機関・自治体などの重要な内容については、紙での通知が求められます。

4.「必ず紙の郵便で受け取りたい」通知物の電子化に許容できる条件は、「ポイントの付与」や「保管・検索の利便性」という回答が多数。

「必ず紙の郵便で受け取りたい」通知物の電子化に許容できる条件

 今まで紙で受領していたものが、紙でなくなることで不安に感じる「現状維持バイアス」が働いていることが結果に影響していると考えられます。しかし企業側が通知の電子化を試みる際に、「ポイントの付与」といった実利的なインセンティブを与えることで、受取手の心理的なハードルを下げることができる可能性があることが本調査で確認できました。さらに「検索行動などのインターネット利用と連動させやすい」「後から情報を探しやすい」(キーワード検索で容易に欲しい情報にアクセスできる)など電子通知の利便性を丁寧に説明していく支援策も実施すれば、通知の電子化は受取手にいっそう受容されやすくなると考えられます。

調査結果の詳細レポートについて

 以下のURLよりダウンロードができます。
URL:https://solution.toppan.co.jp/toppan-edge/download/lb26.html

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