個人や小規模事業者における温室効果ガス排出削減量を取りまとめクレジットを還元
カーボンニュートラル社会の実現に貢献

 TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPAN株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:野口 晴彦、以下 TOPPAN)は、個人や小規模事業者によるカーボンクレジットの創出を一貫して支援する事業(以下、本事業)を2026年10月より開始します。これに先立ち、長野県飯綱町のサテライトオフィス「ICT KŌBŌ® IIZUNA」が推進する本事業のプロジェクト「水田中干し延長プロジェクト」および「バイオ炭プロジェクト」を、J-クレジット制度(※1)のプログラム型プロジェクト(※2)に申請し、2026年10月9日に登録されました。
 本事業では、各プロジェクトにおける複数の個人農家や小規模事業者などの温室効果ガスの排出削減活動の支援をはじめ、排出削減量の収集・算定、およびJ-クレジット制度事務局へクレジット認証申請、売却収益還元までを実施します。排出削減量のデータ収集においては、TOPPANが開発した営農記録アプリケーション等のデジタル技術を活用し、農家の排出削減量報告の負荷を軽減します。
 これらの活動を通じ、温室効果ガスの排出量削減に加え、農作物の付加価値向上や農家の新たな収入源確保に寄与し、カーボンニュートラル社会の実現と持続可能な地域農業の発展に貢献していきます。

クレジット創出と還元の流れ © TOPPAN Inc.
クレジット創出と還元の流れ
© TOPPAN Inc.

背景

 気候変動への対応の重要性が世界的に高まる中、日本政府は2050年までに温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させ、全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」の実現を目指し、世界各国とともにパリ協定で掲げた2030年の削減目標の達成に向けて取り組みを進めています。こうした中、温室効果ガスの排出削減・吸収量を価値化し、取引可能にするカーボンクレジットへの関心が急速に高まっています。
 しかし、クレジット創出において、認証基準を満たす一定の削減量を確保することが難しいことに加え、データ収集や管理、環境負荷低減効果の計測、専門的なノウハウが必要となることから、個人や小規模事業者での実施は難しいという課題があります。
 TOPPANは、DXを推進する開発拠点として2020年より全国5か所にサテライトオフィス「ICT KŌBŌ®」を開設し、地域における新事業創出や課題の解決に取り組んでいます。その一環として、2025年にはモズクのブルーカーボン・クレジットの認証を取得するなど、地域の環境負荷低減活動を推進しています。
 今回TOPPANは、これまで培ってきた技術やノウハウを活かし、個人や小規模事業者が行う温室効果ガス排出削減活動から、創出した削減量の取りまとめ、クレジット化、売却収益の還元までを支援する事業を開始します。これにより個人や小規模事業者のクレジット申請等の負担を軽減するとともに、環境負荷低減の取り組み拡大と地域の持続可能な発展に貢献します。

本事業の特長

・クレジット創出プロジェクトに関する削減活動から申請・収益還元までを一貫して支援
 「水田中干し延長プロジェクト」および「バイオ炭プロジェクト」において、削減活動マニュアルの提供やレクチャーなどを通じ、農家の削減活動を伴走支援します。また、複数農家や個人事業主の温室効果ガス排出削減量の収集・算定、J-クレジット制度事務局への申請手続き、創出されたクレジットの販売・収益還元までを一貫して担います。複数の事業者の削減量を一括で取りまとめることで、個々の農家が単独で行うよりも効率的なクレジット化を実現します。

・デジタルツールの活用による農家の負担軽減
 TOPPANが開発した営農記録アプリケーションや専用申請フォームを成果データの記録に活用し、個人農家や小規模事業者の負荷を軽減します。

J-クレジット制度に登録された各プロジェクトの概要

・ICT KŌBŌ 水田中干し延長プロジェクト

実施場所 全国
プロジェクト申請者 TOPPAN
プロジェクト番号 P461
プロジェクト内容 水田から発生するメタンガスは、日本全体のメタンガス排出量の約4割を占めていると言われており、その削減は大きな課題となっています。水田中干し延長プロジェクトでは、田んぼの水を一時的に抜いて乾かす中干しを、通常よりも7日間延長することで水田からのメタンガス発生量を削減。農家が中干し期間の延長を実施し、農地情報や使用した肥料などの営農記録をTOPPANが運営するプロジェクト事務局へ提出します。

・ICT KŌBŌ バイオ炭プロジェクト

実施場所 長野県
プロジェクト申請者 TOPPAN
プロジェクト番号 P462
プロジェクト内容 りんご栽培では、栽培過程で発生する大量の剪定枝(※3)の多くが焼却されており、それに伴うCO₂排出が課題となっています。これに対し、バイオ炭プロジェクトでは、この剪定枝を活用してバイオ炭を生成し、農地に施用することで、炭素を難分解性の形で土壌中に長期間固定することができ、CO₂排出量の削減を実現します。農家は、剪定枝の重量や加工後のバイオ炭の重量などを測定し、プロジェクト事務局へ提出します。なお、バイオ炭の施用は、土壌成分の改善も期待されます。

今後の目標

 TOPPANは、本事業を通じて全国の自治体、法人、地域パートナーとの連携を強化し、クレジット創出を推進していきます。
 また、J-クレジット制度に登録された2つのプロジェクトを通じ、農業分野において、生産性の向上と環境負荷低減の両立を図るとともに、地域の農福連携(※4)の推進に寄与します。今後は、2030年までにJ-クレジット創出量280t-CO₂を目指し、持続可能な農業の実現と脱炭素社会の推進に貢献していきます。

ICT KŌBŌ® IIZUNAについて

 TOPPANは、DXを推進する新たな開発拠点として、「ICT KŌBŌ®」と呼ばれるサテライトオフィスを全国に展開しています。2020年4月20日(月)、長野県飯綱町の廃校となった小学校を活用した施設「いいづなコネクトEAST」内に「ICT KŌBŌ® IIZUNA」を開設しました。
 2022年10月には、TOPPANと飯綱町で「地域社会の活性化に関する包括連携協定」を締結。以降、DXを活用した地域課題解決に向けた実証実験やDX人財の育成等に取り組んでいます。

※1 J-クレジット制度
 省エネルギー設備の導入や再生可能エネルギーの利用、適切な森林管理によるCO₂等の排出削減・吸収量を「クレジット」として国が認証する制度です。
※2 プログラム型プロジェクト
 複数の中小企業や個人等によるクレジット創出活動を一つに束ねて、まとめて登録・申請できる仕組みです。個別で取り組むより簡単に、クレジット創出に取り組むことが可能です。
※3 剪定枝
 樹木や植木の形を整えたり、健全な生育を促したりするために枝を切り落とす際に発生する木枝や切りくず。
※4 農福連携
 農業(農)と福祉(福)が連携し、障害者や高齢者などが農作業に携わることで、生きがいや収入を得ながら社会参画を進めていく取組みを指します。


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* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以  上

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