Environment 環境環境方針
基本的な考え方TOPへ戻る
1990年代、地球規模で環境保全への意識が高まり、企業の取り組むべき範囲は大幅に拡大しました。凸版印刷株式会社(当時)は、それまでの環境保全体制を再整備し、1991年に「エコロジーセンター」を設置、翌1992年環境保全活動の基本理念として「凸版印刷地球環境宣言」を定め、活動を推進してきました。
2009年4月には、将来にわたってあらゆる生命が存続できる持続可能な社会の実現を目指し、この地球環境宣言をTOPPANグループ全体の活動の基本理念、現在の「TOPPANグループ地球環境宣言」へと改め、より積極的に地球環境保全へ取り組むこととしました。
TOPPANグループ地球環境宣言
私たちは責任ある国際社会の一員として、
TOPPANグループで働く者全員が、
未来を見据えた地球環境の保全に配慮した企業活動を通じて、
持続可能な社会の実現に努めます。
基本方針
1. 私たちは、環境に関する全ての法令及び社内規程を遵守します。
2. 私たちは、地球の未来のために、限りある資源の有効活用と、あらゆる環境負荷の低減に努めます。
3. 私たちは、先見性をもって環境に配慮した製品の開発と普及を促進し、お客さまの環境活動に貢献します。
4. 私たちは、社内外の広範な人びとと環境に関するコミュニケーションの活性化を図り、相互理解に努めます。
5. 私たちは、国際社会における企業活動においても、環境保全に積極的に取り組みます。
1992年4月策定
2023年10月改定
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TOPPANグループは「TOPPANグループ地球環境宣言」に掲げた「持続可能な社会の実現」を具体的に進めるため、2024年4月に付属書に替えて「TOPPANグループ環境方針」を策定しました。TOPPANグループ環境方針は取り組むべき環境課題、コミットメント、そして実現するための仕組み、取り組みの3要素を示すものとなっています。私たちはTOPPANグループ環境方針に基づき、環境課題の解決を通じて企業価値の向上とともに持続可能な社会の実現に努めてまいります。
TOPPANグループ環境方針
1章 取り組むべき環境課題
TOPPANグループはLCAを活用して、事業活動が及ぼす環境影響から環境課題を特定しています。
環境課題
- ①
- 脱炭素社会への貢献:気候変動対策とともに森林資源の保全、化石資源消費の削減に取り組みます。
- ②
- 生物多様性の保全:森林資源及び水資源の保全及び汚染の防止に取り組みます。
- ③
- 資源循環型社会への貢献:化石資源、森林資源、鉱物資源の循環利用に取り組みます。
- ④
- 水の最適利用:水資源消費の最適化、森林資源保全による水の涵養、汚染の防止に取り組みます。
2章 コミットメント
1項 適用範囲
自社の事業活動のみでなくバリューチェーン全体に対して、取り組みと協働を進めます。具体的には生産活動/事業施設、製品とサービス、流通と物流、廃棄物管理、サプライヤー、サービスプロバイダー、及び請負業者、その他の主要な取引先(例:管理外の事業、ジョイントベンチャー(合弁事業)のパートナー、ライセンシー(被許諾者)、外注先パートナー、等)、デューデリジェンス、合併、買収を含みます。
2項 法の遵守
私たちは事業活動の推進において、環境保全に関する法規及びその他の要求事項を遵守します。
3項 環境保全・汚染防止
私たちは事業活動の推進において、大気、水域、土壌への汚染防止及び、水消費の抑制や従業員、地域住民の方などが衛生的な水の提供を受けられるように環境保全に努めていきます。
4項 気候変動対策
私たちは事業活動に推進において、温室効果ガス排出の削減とともに、提供する製品、サービスを通じて温室効果ガス排出の削減に努めていきます。
5項 自然資本保全・生物多様性保全
私たちは事業活動の推進において、生物多様性を含む自然資本の保全とともに調達における地域の住民の人権にも配慮することに努めていきます。
6項 森林破壊防止
私たちは用紙調達における森林資源について、森林破壊ゼロの達成に努めていきます。
7項 継続的改善
私たちはコミットメントの実現のために、環境マネジメント体制、環境ビジョン及び目標、社内外ステークホルダーとの関わりにおいて継続的改善に努めていきます。
3章 実現のための仕組み、取り組み
1項 環境マネジメント体制
環境マネジメントシステムはISO14001に基づき仕組みを構築しています。ISO14001による環境マネジメントの仕組みは、計画、支援及び運用、評価、改善というPDCAサイクルを回すことで改善を進めるものです。あわせて環境保全活動の統括組織であるエコロジーセンターで環境のパフォーマンスデータ、順法状況などを把握、確認、監査の実施により継続的改善を担保しています。
2項 ガバナンス
TOPPANグループの環境保全活動に関する責任を負う最高機関は、TOPPANホールディングス株式会社の取締役会です。取締役会が選任した担当役員のもと、環境保全活動の統括組織であるエコロジーセンターにより監督、評価、検証結果の取締役会への報告が行われ、活動を推進しています。取締役会はTOPPANグループ環境方針、TOPPANグループ環境ビジョン、TOPPANグループ中長期目標の決議と進捗の監督、指導を実施することにより、気候変動対策や自然資本保全などの経営上重要な環境課題の取り組みを推進しています。
3項 環境ビジョン・目標
環境課題の解決のため、長期の環境ビジョン及びそのマイルストーンとなる中期環境目標を策定し、その達成に向けた取り組みを推進していきます。
4項 社内外のステークホルダーへの意識啓発
TOPPANグループの環境に対する取り組みについては、地球環境宣言、環境方針、パフォーマンスデータや取り組みの状況などの開示及びそれらを元にした社内外のステークホルダーの皆様とのコミュニケーションを通じて環境課題の解決につなげていきます。
5項 従業員への教育
環境課題の解決のため、TOPPANグループの従業員に対しては必要な環境に関する知識の習得と実践につながる教育の機会を提供していきます。
2024年4月策定
環境目標TOPへ戻る
TOPPANグループ環境ビジョン2050
TOPPANグループは、将来にわたってあらゆる生命が存続できる持続可能な社会の実現に向けた取り組みをさらに加速させるため、2021年に策定した地球環境課題への長期的な取り組み方針である「TOPPANグループ環境ビジョン2050」を拡充し、新たなテーマとして「Scope3での温室効果ガス排出実質ゼロ」を掲げるとともに、「生物多様性の保全」を追加し、環境課題への取り組みをサプライチェーン全体や地域社会との協働で進めていくことを宣言しています。
TOPPANグループ環境ビジョン2050
TOPPANグループは、国際社会の一員として、未来を見据えた地球環境の保全に配慮した企業活動を通じ、「脱炭素社会」「生物多様性の保全」「資源循環型社会」および「水の最適利用」に貢献し、「ふれあい豊かでサステナブルな暮らし」の実現を目指していきます。
- ①
- 脱炭素社会への貢献
Scope1+2 および3における温室効果ガス排出の実質ゼロを目指します。 - ②
- 生物多様性の保全
豊かな自然の保全と社会経済活動が両立する自然共生社会を目指します。 - ③
- 資源循環型社会への貢献
廃棄物のゼロエミッションを目指します。 - ④
- 水の最適利用
最適な水利用の実現と水質汚染防止による水質改善に貢献します。
TOPPANグループ2030年度中長期環境目標
2024年4月、「TOPPANグループ2023年度中長期環境目標」において、一部目標を見直しました。
TOPPANグループ2030年度中長期環境目標
- ①
- 脱炭素社会への貢献
温室効果ガス排出 Scope1+2:2017年度(1,552千t)比 54.6%削減(847千t減 再エネ比率25%)
温室効果ガス排出 Scope3:2017年度(6,904千t)比 54.6%削減(3,769千t減) - ②
- 生物多様性の保全
用紙原料の調達における合法性確認を2025年度に100%
製造拠点面積10%に相当する社内外自然共生地域の保全への貢献 - ③
- 資源循環型社会への貢献
廃棄物最終埋立量:2017年度(8,739t)比 60%削減(5,296t減)
廃プラスチックのマテリアルリサイクル率:2017年度(56%)比 9%増(65%) - ④
- 水の最適利用
水リスクの高い(水ストレス40%超)拠点(7拠点)の取水量削減目標 達成拠点数50%以上(4拠点)
規制値超過による行政措置0件
SBT認定を受けた温室効果ガス削減目標
TOPPANホールディングスは、TOPPANグループのバリューチェーン全体での温室効果ガス排出削減目標について、国際的なイニシアチブ「SBTi(Science Based Targets initiatives)」から「ネットゼロ目標」としての認定を取得しています。
1.5℃排出経路に沿った削減取り組みでも、なお削減しきれない排出量は、革新的な技術開発・導入や投資を行う事で、森林由来吸収や炭素除去技術等を活用し、実質ゼロを目指します。
ネットゼロ目標 | 2050年目標 Scope1+2 および 3 における温室効果ガス排出の実質ゼロ |
---|---|
短期目標 | 2030年目標 温室効果ガス排出Scope1+2:2017年度比54.6%削減 温室効果ガス排出Scope 3:2017年度比54.6%削減 |
長期目標 | 2050年目標 温室効果ガス排出Scope1+2:2017年度比90%削減 温室効果ガス排出Scope 3:2017年度比90%削減 |
2024年4月における「TOPPANグループ中長期環境目標見直し」
主な更新内容
2050年カーボンニュートラルに向けた移行計画TOPへ戻る
Scope3
2030年まではDXの推進により紙のデジタルデータへの変換を進めるとともに低炭素材料を積極的に採用していきます。
2030年以降は加えてグループ内物流会社のEV化、低炭素物流会社の採用を進めます。
2050年は2017年度温室効果ガス排出量の10%程度が残ると予想され、CO₂回収事業への投資や緑地拡大による吸収を図り、実質ゼロを目指します。
単年度環境目標
2030年度を目標年としたTOPPANグループ中長期環境目標の各項目について、毎年実績を集計し、取締役会に報告するとともに、単年度目標の策定、承認を経て年次活動に展開しています。これらは全社目標から事業所目標に展開することで、事業所の環境保全活動の中の重要な管理指標として推進管理が行われています。
2024年度単年度環境目標
管理目標 | 管理項目 | 2024年度環境目標 | |
---|---|---|---|
①脱炭素社会への貢献 | CO₂排出量の削減 | Scope1+2排出量 | 1,109千t |
再エネ比率 | 3.43% | ||
Scope3排出量 | 4,875千t | ||
②生物多様性の保全 | 森林違法伐採防止 | 用紙原料調達における合法性確認 | 100% |
自然共生社会への貢献 | 自然共生地域面積 | 製造拠点面積の1%(23千m²)増 | |
③資源循環型社会への貢献 | 廃棄物最終埋立量の削減 | 廃棄物最終埋立量 | 4,466t |
資源循環への貢献 | 廃プラスチックのマテリアルリサイクル率 | 51.0% | |
④水の最適利用 | 水リスクの高い地域の取水量削減 | 該当地域の節水対策立案拠点数 | 4拠点 |
水質汚染防止 | 規制値超過による行政措置件数 | 0件 |
環境関連実績TOPへ戻る
TOPPANグループ2023年度中長期環境目標(実績)
TOPPANグループ全体を対象として、2017年度を基準年に2030年度目標を設定し、活動を進めています。
Scope1+2 温室効果ガス排出量
TOPPANグループのScope1+2排出量は2023年度、TOPPANグループ2030年度中長期環境目標に沿った目標(SBT1.5°C水準)に対し、達成でした。

- ※
- Scope1および2について、電気使用に伴う温室効果ガス排出量は、国内分は「特定排出者の事業活動に伴う温室効果ガスの排出量の算定に関する省令」に基づいて調整後排出係数で算定、海外分は①各事業所で電気を購入している電気事業者固有の係数、②政府・自治体公表の係数、③IEA公表の最新係数の順で得られた係数に基づき算定しています
電気以外の燃料に伴う温室効果ガス排出量は「特定排出者の事業活動に伴う温室効果ガスの排出量の算定に関する省令」に基づいて算定しています
Scope3 温室効果ガス排出量
TOPPANグループの2023年度 Scope3排出量はTOPPANグループ2030年度中長期環境目標に沿った目標(SBT1.5℃水準)に対し、未達成でした。

- ※
- 2017、2022年度の実績値について2023年度実績の集計方法と合わせる様に見直しを実施し、修正しました(修正前の2017年度実績は7,365千t、2022年度実績は5,929千tでした)
再エネ由来電力量および再エネ比率
年度 | 再エネ由来電力量(GWh/年) | 比率(%) |
---|---|---|
2021 | 11.10 | 0.67 |
2022 | 20.22 | 1.19 |
2023 | 41.81 | 2.52 |
- ※
- 再エネ由来(再生可能エネルギー由来)電力量は、TOPPANグループの拠点に設置されている再生可能エネルギー発電施設(太陽光・水力発電)における総発電量とオフサイトPPA事業者および小売電気事業者から調達している再生可能エネルギー電力量の合計値です
- ※
- 再エネ比率(再生可能エネルギー由来電力比率)とは総電力使用量に対する再生可能エネルギー由来の電力量の割合を示します
廃棄物最終埋立量
2030年度目標設定に伴い、2021年度より単年度目標を設定し、活動を進めています。2023年度は目標を達成しました。

- ※
- 集計の見直しに伴い過年度の数値を修正しました
廃プラスチックのマテリアルリサイクル率
2030年度目標設定に伴い、2021年度より単年度目標を設定し、活動を進めています。2023年度は目標に対し、未達成でした。

- ※
- 集計の見直しに伴い過年度の数値を修正しました
環境影響評価TOPへ戻る
TOPPANグループでは、環境目標への取り組みが、全体としてどの程度環境影響を低減しているか把握するために、ライフサイクルアセスメント(LCA)のひとつであるLIME 手法を用いて、事業活動によるINPUT およびOUTPUT の環境負荷を環境影響というひとつの指標に統合しています。この評価を実施することで、環境影響が基準年度からどのように変化しているかを定量的に確認しています。
LIME手法による環境影響評価
LIME手法を用い基準年の環境影響を100として、定量的に評価しています。
2017年度を基準年としたLIME3での評価において、2023年度は基準年度比で環境影響7.4%低減、環境効率25%改善となりました。
全社LIME3 評価
環境影響・環境効率の推移

- ※
- 2017年度を100とする。非生産事業所を除いて計算
- ※
- 環境効率=売上高/環境影響
環境影響については、影響の割合が高い気候変動に対して、省エネ活動等によるエネルギー消費の削減、高効率生産やマテリアルリサイクルの推進による資源消費の削減などによる低減を図っています
事業分野別環境影響の内訳

- ※
- TOPPANグループは事業分野別に取り扱う材料・品種が異なることから、環境影響は一律ではないため、重点とすべき環境影響を事業分野別に評価しています