トップメッセージ


ホールディングス化の先にTOPPANグループが目指すもの
TOPPANグループは2023年10月にホールディングス体制へ移行し、1年を迎えました。ホールディングス化に向けて、2023年にグループ全体の方向性とマインドを合わせるための指針として制定したのが、グループ理念「TOPPAN’s Purpose & Values」です。これは、「人が持つ感性とイノベーション」こそが事業成長の源泉であるという考え方をベースに、グループ一丸となってグローバルでの社会課題の解決に貢献していくという姿勢を明示したものです。
TOPPANグループが今後も社会に継続的に貢献できる企業であり続けるためには、自分たちの何を変え、何を変えないのか、明確にする必要があります。TOPPANグループは2021年から“Digital & Sustainable Transformation”を目指す姿に掲げ、事業ポートフォリオ変革を進めていますが、現在の事業の立て付けが、10年後必ずしも維持できるとは思いません。重要なのは、「人を想う感性」と「心に響く技術」をもって常に新たな分野の開拓にチャレンジし、社会的価値創造企業として、世の中の最新のニーズに柔軟に応えていく姿勢です。そして10年、20年後に向けて、こうした取り組みを担う人財を育て続けていくことです。
サステナビリティ経営を支える取り組み
TOPPANグループでは、「人財」を貴重な財産と捉えています。具体的には、充実した教育・研修プログラムにより、一人ひとりに合わせた能力開発を推進しているほか、従業員向け株式報酬制度など、新たなスキームの導入も開始しています。特に、「技術・ソリューション」が強みのひとつであるTOPPANグループにとって、技術系人財の拡充は喫緊の課題です。DX人財については、採用チャネルのマルチ化や、グループ内部署異動の公募など、新たな取り組みにより強化を図っています。加えて、管理職や経営幹部層についても、社長直轄の若手研修プログラムの実施や、「社長戦略室」の立ち上げなど、次世代のリーダー候補が本音で話し合う場を設け、コミュニケーションの促進に努めています。
また、サステナビリティ経営においてガバナンス体制の強化も重要と考えています。取締役会については、2021年に独立社外取締役の構成比率を3分の1に引き上げ、その結果、取締役会の多様性が進みました。今後も取締役会での活発な議論を行い、企業価値向上につなげていきます。
さらなる成長と発展に向けて
「企業の成長は、トップ自身が描く企業像に左右される」というのが私の信念です。BtoBのビジネスモデルながら、お客さまの先にいる生活者を常に意識し、サービスやものつくりを通じて、快適で豊かな生活に貢献すること。世の中の目まぐるしい変化に対応しながら、価値創造の持続性を高めていくこと。こうしたサイクルを回すことは、チャレンジの連続です。チャレンジを担うのは「個」の力であり、企業の成長とは「個」の成長の集積にほかなりません。
TOPPANグループが、今後とも私たちの誇りであり続けられるよう、今後も経営者として全力を尽くしてまいります。ステークホルダーの皆さまの期待にお応えするため、「多様な文化が息づく世界」の実現に向けたTOPPANグループのさらなる成長と発展に引き続きご期待ください。
2024年9月