更新日:2026年9月30日

基本的な考え方

人財の開発・育成にあたっては、TOPPANホールディングス人事労政本部人財開発部が、各事業部門の人財開発担当と連携して、教育プログラムを開発し、有機的な人財開発プログラム体系を構築しています。この人財開発体系を“TOPPAN UNIVERSITY” として提示し、基礎・専門プログラム、リーダープログラム、自己啓発プログラムの3つの枠組みでスキルアップ、キャリアアップを支援するとともに、リーダーの育成を推進しています。また、次世代型人財開発のあるべき姿を調査、研究、検証するR&D拠点である人財開発ラボ®の活動を通して、「自己革新」や一人ひとりがもつ潜在能力の発揮と拡張を目指して、新たな価値創造を実現しています。

人財育成のアプローチ

図表1のように、人財育成のアプローチについて、プログラムのPDCAを回し、改善を積み重ねる「1階」部分と、HRテックなどの様々なテクノロジーを活用し、1階部分の効果・効率を最大化していく「2階」部分、そして、次世代型人財開発のあるべき姿を調査・研究・検証していく「3階」部分に分けて教育施策を展開しています。
また、2012年度より人財開発施策に関する社員アンケートを年に一度継続的に実施し、施策に関する社員の評価、受講意欲、学びに対する職場の支援について意見を収集し、全役員と結果を共有するとともに、プログラムの企画立案における重要資料として活かしています。2025年度は、10,951名(回答率87.6%)の社員が回答し、9,150名(83.6%)が人財開発の取り組みを評価すると回答しています。

取り組み

キャリアの転換期を支えるプログラム

TOPPANグループでは、持続的な成長と企業価値向上を実現するため、従業員一人ひとりが生涯を通じて主体的に学び、挑戦し続ける「キャリア自律」の支援を人財戦略の柱に据えています。特に、事業環境が激しく変化する現代において、あらゆる世代の従業員が環境変化に柔軟に適応し、それぞれの役割で最大限の価値を発揮できるよう、ライフステージに応じた多角的な人財開発プログラムを展開しています。

1.
将来の転機に備える「キャリア開発プログラム」
50歳管理職を対象に2016年より継続しているプログラムでは、将来の役職定年や定年退職といったキャリアの大きな節目に向けたマインドセットを行っています。これまでのキャリアの棚卸や、同年代のメンバーとのディスカッションを通じて「自らの出番は自分でつくる」主体性を醸成し、将来の理想とする生き方や働き方を具体化しています。さらに、研修後のキャリアカウンセラーによる個別面談や、福祉会と連携した「ライフプランセミナー」の紹介などを体系化し、キャリアのみならず退職後を見据えたライフの充実までを切れ目なくサポートする体制を整えています。
2.
専任職の価値創造を加速する「役割再定義プログラム」と「リスキリング支援」
マネジメントから「これまでのスキルを活かした新しい価値創造」へと役割が変化する「専任職」に対しては、役割の再定義と実践的なスキル向上を組み合わせた成長支援を行っています。選抜型集合研修として実施しているプログラムでは、適応力や複雑な課題を成長思考で乗り切るための「メタスキル(学ぶことを学ぶスキル)」を習得し、既成概念にとらわれず自身の役割を前向きに捉え直すマインド変容を促しています。
同時に、通常勤務時間内での自発的なリスキリングを認める施策として、定額制のオンライン動画学習サービスのID付与を実施しています。生成AIをはじめとする最先端のデジタルスキルやビジネスナレッジを主体的に吸収できる環境を提供しており、受講者の平均学習時間は年間60時間を超えるなど、高い成長意欲とチャレンジ精神を強力に後押ししています。

従業員のキャリア自律と企業価値向上の好循環へ

このようにキャリアの転換点を支えるプログラムを体系的に整備することで、従業員の役割変化に応じたキャリア自律を促す支援をしています。多様な人財がそれぞれの役割において主体的に価値を生み出し続ける強靭な組織基盤を構築することで、持続的なイノベーション創出と企業価値のさらなる向上を実現していきます。

人財開発ラボ®における活動

2017年4月、脳神経科学、コンディション、テクノロジーを活用した次世代型人財開発のあるべき姿を調査、研究、検証、実装するR&D拠点「人財開発ラボ®」を設立、運用を開始しました。
様々な分野の外部有識者の知見を教育現場に応用して、TOPPANグループ独自の人財開発モデルを具現化し、「自己革新」、すなわち社員一人ひとりがもつ潜在能力の発揮と拡張を図るとともに、TOPPANグループならではの新しい価値創造の実現を目指す活動です。
人財開発ラボ®で生み出された先進的なアプローチを既存の教育体系に実装していくことで、TOPPANグループ独自の人財開発モデルの具現化に結びつけていくことを目指しています。
人財開発ラボ®で扱うのは、一般的な研修で扱う言語化された領域を超え、「感性」「非言語」の領域を含めた内容です。新たな価値創造やイノベーションを起こすためには、感性や非言語など定量化できない部分を「認識する力」を磨いていくことが重要と考え、外部の専門家とともに中長期的な視点で、研究やプロジェクトを推進しています。

人財開発ラボ®
人財開発ラボ®活動体系(次世代型人財開発の調査、研究、検証)
一人ひとりの潜在能力を発揮する自己革新の研究会(脳機能や身体機能の理解・活用やテクノロジーによる人間機能拡張の研究)を基盤とし、感性やアート、思想・哲学などの研究会を通じて新たな価値創造へアプローチする構造。
人財開発ラボ®のカバー領域
言語領域である実現・認識できる世界と、非言語領域である感じている世界との行き来が創造性を高める可能性があるという考えのもと、未知の世界も視野にいれた非言語領域を人財開発ラボの対象領域としている。

人財開発ラボ️®研究会・プロジェクト一覧

人財開発ラボ®実績

メタバース空間での可能性アートプロジェクト展示

「スペースイノベーションフレームワーク®」を開発

TOPPANバーチャル研修センター

TOPPANグループでは、VR、メタバースなどの最新技術を人財開発に積極的に活用しています。
2021年には、TOPPAN バーチャル研修センターを立ち上げました。TOPPAN バーチャル研修センターは、デジタル空間とリアル空間をシームレスでつなぐ、グローバルな教育プラットフォームへの進化を目指しています。グループ・グローバルの全社員がテクノロジーを体感しながら、外部を含めた様々な人と交流することで知の統合やイノベーションにつなげていく拠点であり、次世代に向けた理想の研修センターを構築しています。
TOPPAN バーチャル研修センターは、TOPPANホール、印刷博物館をバーチャル上で見学できる小石川本社ビルの空間と、人財開発ラボ®のフロアを再現した「バーチャル人財開発ラボ」があります。
「バーチャル人財開発ラボ」では、8つの研究会と2つのプロジェクトについての研究成果や、研究会の知見を社員へ共有する社内セミナーの動画などを確認することができます。具体的には、アート・仏教・宇宙の知見を活かして作成した3つのフレームワークを説明する動画や、社員のコンディションを整えるアニメーション動画コンテンツ「パフォーマンスアップに導く24時間の過ごし方」、可能性アートプロジェクトの作品、研究会の知見を活かした研修における受講者のアウトプットなどを確認できます。
現場における学びだけでなく、バーチャルでも学びの環境を構築することで、離れていても施設見学を可能にすることや、いつでもどこでも最新の知見を学べる環境を整えています。

デジタルテクノロジーを活用した教育

多数の社員を抱える中で研修の場所が東京に集中することによる教育機会の地域間格差や、時間的制約を抱える社員が学びやすい環境が必ずしも整っていないという課題がありました。
コロナ禍をきっかけに、当社はそれまで対面型だった研修を全てオンラインに切り替えました。コロナが収束しても当社の強みを活用した最新デジタルテクノロジーを用いて教育変革に挑戦しています。Web配信によるオンライン研修はもちろん、ドローン映像を活用しフィールドワーク研修の一部もオンライン化。さらに、自社製品の製造工程を体験できるVRコンテンツを制作し、遠隔で工場見学を実現しました。また、ビジネススキルを学べるサブスクリプション型eラーニングに加え、メタバース上でコミュニケーションを図り、受講者のネットワークを構築する階層別研修も実施しました。2025年度の新入社員研修では、メタバース空間での交流も行いながら、91%の新入社員が同期ネットワークを構築することができたと回答しています。
こうしたグループ全社員への継続的な学習機会の創出に寄与した点を高く評価され、「第10回 HRテクノロジー大賞」のラーニング部門で優秀賞を受賞しました。

実績

2025年度 人財開発プログラム受講実績(TOPPANグループ)

プログラム名 プログラム概要 受講人数
階層別プログラム 主に昇格・昇進のタイミングで必要な知識、スキル、マインドを習得するプログラム 18,274名
リーダープログラム 次世代リーダー育成を目的とした選抜型のプログラムで、新たな事業の創出を目指すプログラムや、グローバル人財の創出を目指したプログラム等を実施 14,797名
リパーパスプログラム 新たな役割認識を促し、新価値創造を目指す専任職向けのプログラム等を実施 300名
自己啓発プログラム 全社員に学びの機会を提供する手挙げ式のプログラム
以下の3つの学習形式学習プログラムを含む
28,026名
TOPPANビジネススクール 自己啓発プログラムとして、オンライン集合型、外部派遣講座とeラーニング型にて、ビジネスの基本知識・スキル習得講座から、専門的なスキルを高める応用講座まで、幅広いラインアップを提供 1,068名
学び放題「eラーニングライブラリ」 自己啓発プログラムとして、サブスクリプションモデルで187以上の講座がいつでもどこでも何度でも学び放題の環境を全社員に向けて導入 5,724名
チャレンジスクール 自己啓発プログラムとして、通信教育型にて知識・スキル習得講座を提供 2,051名
全社員基礎教育 全社員(契約社員、パートタイマー等を含む)が習得すべき知識をeラーニング型にて実施 380,132名
グローバル人財可視化施策 全社的なグローバル人財の人員数とレベルの顕在化、今後の成長に必要な投資対象の見極めおよび中長期計画で必要な育成計画の作成を目的に年に一度語学力測定アセスメント一斉受検を実施 1,599名
グローバル選抜研修 語学力、異文化対応力や合意形成スキルなどグローバルビジネススキルの基盤習得 37名
トレーニー制度 若年層を対象に異文化対応力・語学力を向上させることなどを目的に、海外現地法人・代理店に約1年間出向し、語学トレーニングと業務研修を実施 122名※
JICA青年海外協力隊派遣 トレーニー制度の一環として、国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊を通じた新興国、開発途上国への派遣を実施 19名※
IMD短期公開プログラム スイスのビジネススクールIMDの短期公開プログラムにてグローバルビジネスで求められるリーダーシップ・プロジェクト遂行能力などを実践的に習得 19名※
※
2013年以降の累計人数を記載

デジタル人財育成プログラム受講実績(TOPPANグループ)

プログラム名 プログラム概要 累計受講人数
生成AI基礎教育 生成AIに関する基礎知識習得と実践に向けた教育 27,430名
AWS資格取得 クラウドの知識習得と資格取得を目的に、営業・企画・技術部門などデジタル部門に限定せず、基礎レベル(クラウドプラクティショナー)を中心に実施 受講者 5,341名
資格取得者 2,641名
Microsoft Azure資格取得 クラウドの知識習得と資格取得を目的に、営業・企画・技術部門などデジタル部門に限定せず、基礎レベル(Azure Fundamentals AZ900)を中心に実施 受講者 1,944名
資格取得者 727名
G検定取得 人工知能やディープラーニングなどの技術とビジネス活用の双方を理解し、技術活用の橋渡しができる「ビジネストランスレーター」としてのジェネラリストを育成する資格取得支援プログラム 受講者 530名
資格取得者 325名
DS検定取得 データサイエンス分野のうち、データ加工、機械学習、データ分析、エンジニアリング、数理統計学、ビジネスなど様々な知識やスキルを広くカバーし、リテラシーレベルの知識習得、資格取得を目指すプログラム 受講者 523名
資格取得者 147名
Udemy・Aidemy AI活用、データ活用、グローバルコミュニケーションスキルなど最新のデジタル教育プラットフォームを導入し、部門教育・自己啓発用として活用。各人のレベルに応じて、常時最新で質の高い知識スキル習得を支援 Udemy受講者 6,845名
Aidemy受講者 513名

人財育成に関する費用実績

TOPPAN株式会社 国内連結グループ会社
社員一人あたりの
平均人財育成費用(円)
社員一人あたりの
平均研修時間(時間)
社員一人あたりの
平均人財育成費用(円)
社員一人あたりの
平均研修時間(時間)
2021年度 56,070 39.2
2022年度 64,937 81.7
2023年度 76,188 72.2 33,106※1 41.6※1
2024年度 72,137 120.0 28,453※2 47.9※2
2025年度 75,373 128.0 31,632※3 51.1※3
※
国内連結グループ会社の実績は2023年度より集計
※1
連結全体に対してカバー率51%
※2
連結全体に対してカバー率65.1%
※3
連結全体に対してカバー率53%

リーダープログラム受講者数累計実績 2011~2025年度(TOPPANグループ)

階層 プログラム 合計 / 累計人数
管理職層 ビジネスイノベーション(中上級) 371名
経営リテラシー上級 460名
経営リテラシー中級 1,693名
計 2,524名
専任職層 ビジネスイノベーション(中上級) 539名
計 539名
監督職層 ビジネスイノベーション(初級) 1,213名
経営リテラシー初級 1,889名
計 3,102名
一般層 ビジネスイノベーション(基礎入門) 4,878名
計 4,878名
全階層 グローバルリーダー 381名
計 381名
総計 11,424名