2人に1人が塾の時代…。これは、行っていない子どもの話です。

小学校3、4年生までの勉強でつまずくと、子どもはその後の学習意欲を持てなくなるという。塾か通信教育か自宅学習か、子どもたちが勉強のつまずきをどのように乗り越えるかは環境に大きく左右されるもの。そして、諦めずに最後までやり抜く経験をしたかどうかが、将来の学歴やキャリアにまで影響しかねない…。トッパンが開発するのは、子どもたちの自信を育み、努力する力を養う学習サポートシステム。学校と家庭をICTでつなぎ、自ら目標を立て苦手に取り組む児童を応援していきます。

[やる気の扉を開ける学習応援システム やるKey]

タブレットを家に持ち帰り、ドリルを解くと、習熟度別の教材が配信される。児童の頑張りを先生が把握し、個別の励ましに活かしていく。こうした学習指導の研究を今春、茨城県古河市、東京都福生市で開始します。大切なのは、勉強に苦手意識を持つ前にわかる喜びを体験し、人生を生き抜くための努力する力を養うこと。「全ての子どもに、勉強を好きになる権利があるのです。」担当者は語りました。

[受賞歴]

努力する力を育み、日本を支える人財の育成を支援する。印刷テクノロジーのかたちです。

▲図1 学習応援システム「やるKey」の概念
▲図2 利用イメージ

これからの社会を生きていく子ども達に「未来を創る力」を身に付けてもらいたい。トッパンはこれまでに、いつでもどこでも勉強ができ、一人ひとりが最適に学べる環境づくりの支援を行ってきました。そして、21世紀にふさわしい学びの場の実現を目指し、2013年からICT(Information and Communication Technology)を利用した教育支援システムを開発・提供。現在、ますます教育のICT化が進む中で、今一度ICT化により児童・生徒、先生にどのようなメリットを提供できるか検証し、その可能性を広げていくことが次の課題となっています。

こうした流れを受けて、トッパンではこれからの世の中を生き抜くための基礎となる「努力する力」を磨く、新たな取り組みを始めました。それが、新しい学習応援システム「やるKey」です(図1)。「やるKey」は、タブレットと電子教材を用い、児童・生徒一人ひとりの理解度に合わせて課題を提供する「レコメンド」機能、児童・生徒が今取り組んでいる問題に対して、自分の目標を予め設定しておく「目標管理」機能を備えています。さらに、解答の正誤だけでなく、取り組んだ問題数や学習時間などの結果を全てデータベースに蓄積し、グラフや図表で可視化することで、先生はより適切な指導を行うことができます(図2)。

トッパンは、茨城県古河市、東京都福生市にて小学校での実証研究を開始します。慶応義塾大学の教育経済学を専門とする中室准教授も、成長実感や達成感を通じて努力する力を育むことは大切であると指摘しています。幼少期に得たその力は、長期にわたって持続するような効果があり、その後の人生においても、成功する源になりうる力なのです。(「学力の経済学」ディスカヴァー・トゥエンティワンより)

「努力する力」の芽を見つけ、それを育む。これは、児童・生徒や先生のみならず、保護者、学校、ひいては市民の教育の質を高めたい地方自治体、未来の日本にとって、大きな意義があると考えます。トッパンは、原点である「印刷技術」をベースに、「マーケティング力」、「IT力」、「クリエイティブ力」の知識とノウハウを蓄積してきました。情報コミュニケーションの向こうには必ず人がいます。児童・生徒と先生の絆をより深くし、笑顔で学べる教育支援システムを提供したい。「印刷テクノロジー」の、ひとつのかたちです。

最先端の印刷テクノロジーを駆使して
「学びの場」を支援するさまざまなサービスを提供しています。

  • 東京書籍
    「小学校デジタル教科書」
    「小学校デジタル教科書」画面

    東京書籍が提供する平成27年度版小学校デジタル教科書は学習の目的や場面に即した多彩なコンテンツで構成されています。360度パノラマ写真や全国の先生がアップロードした資料の共有ができる指導者用デジタル教科書、拡大時の自動改行、書体と行間の変更、文字色と背景色の変更、音声による読み上げ機能が付いたEPUB3※学習者用データ、児童の思考をサポートするマルチOS対応のタブレット端末向け学習者用デジタル教材。今後も、新しい学びを実現するために最適かつ世界最先端のデジタル教科書を提供していきます。

  • 校務支援システム
    「マナレコ」
    「マナレコ」 行事黒板ポータル画面「マナレコ」時間割画面

    トッパンは校務支援システム「マナレコ」の提供を行っています。当システムは自治体および学校経営視点からの業務平準化や児童・生徒に関する情報連携の実現を目指した設計となっており、学校のさまざまな場面で先生の細やかな指導をサポートします。また特別支援学級の個別情報管理や時間割変更機能の充実など、従来対応が難しかった機能も搭載し、より深い学校現場のニーズにお応えできるようになりました。今後もトッパンは【教育に活かせる仕組み】を目指して更なるサービス開発を進めていきます。

  • 無料学習サービス
    「学びゲット!」のサービス提供開始
    「学びゲット!」くらすタウン画面「学びゲット!」ケンタッキーフライドチキン企業クイズ

    学研パブリッシングと凸版印刷は、小学校低学年向けに、誰でも無料で学べる新しい学習サービス「学びゲット!」を共同で開発し、2015年3月から本格的なサービス提供を開始しました。「学びゲット!」はインターネットを通じた無料学習サービスで、パソコンやタブレットで、学校の単元に沿った学習や協賛企業のサービスにまつわるクイズにチャレンジすることができます。協賛企業はこのサービスを、子どもやその保護者に対してのブランディングやセールスプロモーションツールとして活用することができます。
    (2015年4月末時点で6社が参加中)

※本文中の敬称は省略しています。
※本文中の商号および製品・サービス名称は、各社の商標または登録商標です。