2015/03/03

凸版印刷、フレキシブル電子ペーパーを活用したレール型電子棚札を開発
~プリンテッドエレクトロニクス技術とカラーフィルタ技術を融合した次世代電子棚札~
 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:金子眞吾、以下 凸版印刷)は、プリンテッドエレクトロニクス技術(※1)を活用し、フレキシブル薄膜トランジスタ(TFT)を実現する印刷プロセス技術を確立。薄く、軽く、かつ曲げることができるフレキシブル電子ペーパーを開発しました。さらに今回、カラーフィルタ技術を活用しフレキシブル電子ペーパーの部分的なカラー化(以下 エリアカラー)を実現。
 このフレキシブル電子ペーパーを活用し、「レール型電子棚札(ESL:Electronic Shelf Label)」を試作しました。凸版印刷は、さらに開発を進め「レール型電子棚札」の2017年度の実用化を目指します。
 なお、「レール型電子棚札」は、2015年3月3日(火)~6日(金)まで開催される「リテールテックJAPAN 2015」(会場:東京ビッグサイト)のトッパンブースで参考出品されます。
 また、本研究開発の一部は独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の次世代プリンテッドエレクトロニクス材料・プロセス基盤技術開発の助成を受けて開発した成果を利用しています。
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■ 背景
 電子ペーパーは、紙代替など用途の多様化から、軽量化やフレキシブル性、落としても割れない丈夫さが求められています。また、真空や高温を利用した多量のエネルギーを消費する製造方式から、省資源化が可能な環境調和型の製造技術への展開が期待されています。
 凸版印刷は、省エネ、軽量、フレキシブル性を実現可能な印刷製造技術の開発を行い、軽量・フレキシブルな電子ペーパーを実現しました。「軽い・落としても割れない」電子ペーパーを早期に上市することで、新しい用途展開の可能性を開くとともに、製造方式に排水・廃液・エネルギー消費の少ない印刷プロセスを用いることで、安全な環境つくりに貢献します。

■「レール型電子棚札」 の特長
 本「レール型電子棚札」は、棚の前面全体を表示エリアにできることから、紙の棚札や個片の電子棚札に比べ表示面積も広く、配置及び表現の自由度を高めることができます。
 これにより電子棚札の特長である販売情報の一括書換え制御に加え、顧客向け販促情報の表示、さらに作業員への商品陳列指示情報の表示など、様々な用途展開が可能となります。また、エリアカラーにより、顧客へのセール・商品アピールなどのアイキャッチ効果を高め、作業員には注意を促し作業ミス低減も図れます。

・前面はレール型構造で表示レイアウトはフリー、また棚と一体化したスッキリ、スマートなデザイン
・凸型の湾曲表示により、上の棚から下の棚まで、どこからも見やすい表示
・薄く、軽く、割れないプラスチック基材のため、カートがあたっても割れずに安全
・電子ペーパーの特長である、高コントラストにより見やすく、超低消費電力

■「レール型電子棚札」の主な仕様
・表示素子: E Ink電子ペーパー
・表示駆動基板: フレキシブルTFT回路基板
・外形寸法: 約900mm(幅) × 約30mm(高さ)
・表示部形状:凸型湾曲表示(曲率半径50mm)
・エリアカラー: 上端:緑ライン、下端:赤ライン

■開発技術の概要
 フレキシブル電子ペーパーは、フレキシブルTFTと電子ペーパー前面板を組み合わせることで実現しています。今回、環境調和性の高い印刷技術で、プラスチック基板上に薄膜トランジスタ(TFT)アレイを形成したフレキシブルTFTにより電子ペーパーを駆動しています。
 プラスチック基板上に印刷プロセスでTFTを形成するには、電極材料や絶縁材料、有機半導体材料などの様々な材料に適した印刷方法を使い分ける必要があるとともに、複数の層を精度良く位置合わせすることが重要です。
 凸版印刷は、培ってきた「印刷テクノロジー」を活用し、これらの課題を克服して全印刷型フレキシブルTFTを実現することに成功しました。

■ 今後の展開
 凸版印刷は「レール型電子棚札」の改良を行い、2017年度の実用化を目指します。
さらに凸版印刷は、プリンテッドエレクトロニクス技術の研究を進め、フレキシブル電子ペーパーの薄く、軽く、かつ割れない強みや、曲面表示の特性を活かし、物流や製造、デジタルサイネージやカードなど様々な分野で新しい製品の開発を行っていきます。

※1 プリンテッドエレクトロニクス
印刷技術を利用して電子回路などのエレクトロニクス製品を生産すること。印刷技術の特性を活かして、基板としてさまざまな素材を利用できること、これまでの生産方式よりも簡便なプロセスでの生産が可能となることから、次世代の技術として期待されています。


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以上

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