2016/04/15
国宝指定決定を記念し、TNM & TOPPAN ミュージアムシアターで
VR作品『洛中洛外図屛風 舟木本』を特別上演
凸版印刷株式会社
また、4月19日(火)から5月8日(日)には、同館・本館で「舟木本」が約2年半ぶりに展示され、対象期間には実物とVR作品の双方を鑑賞できます。
なお、VR作品上演期間には、高精細デジタルデータを用いた「舟木本」の実物大高品位複製をTNM & TOPPAN ミュージアムシアター前室にて展示します。

監修:東京国立博物館 制作:凸版印刷株式会社
■ VR作品『洛中洛外図屛風 舟木本』上演について
京都の町並み、季節の風物や行事を俯瞰して描いた「洛中洛外図」は、室町時代から江戸時代にかけて数多く描かれた題材です。その中でも、人物表現で異彩を放つのが、岩佐又兵衛が描いた通称「舟木本」。又兵衛が想像を交えて描いた京都には、力がものを言う戦国時代から法が定める江戸時代へと移り変わる瞬間が切り取られています。
「人々の様子が大変密度の高い描写で生き生きと表現され、近世初期風俗画の到達点と評価できる作品であること」、また「近年、洛中洛外図や又兵衛に関する研究が進展し、それらの研究成果を反映した展覧会も数多く開催され、文化史的、美術史的重要性が再確認されたこと」(※2)などから、「舟木本」は2016年3月、ついに国宝指定が決定しました。
本VR作品では、4月20日(水)~5月29日(日)の期間は、「京散策 四条河原から方広寺編」と題し右隻を中心に、6月1日(水)~7月10日(日)の期間は、「京散策 寺社巡りと二条城編」と題し左隻を中心に上演。専属のナビゲータがライブ解説で「舟木本」をすみずみまで詳しく紹介します。
また本作品の上演では、外国人来館者向けに、凸版印刷が開発した「VR専用多言語ガイドシステム」を用いて英語・中国語による音声解説サービスを提供します。
さらに、シアター前室にて、作品を鑑賞した来館者から感想やお気に入りの場面を募集。寄せられた声をもとに人気の場面などを紹介します。
(左)「京散策 四条河原から方広寺編」(4/20-5/29公開)より 右隻6扇上部 四条河原の歌舞伎の芝居小屋
(右)「京散策 寺社巡りと二条城編」(6/1-7/10公開)より 左隻6扇中部 二条城
期間: 前期「京散策 四条河原から方広寺編」 4月20日(水)~5月29日(日)
後期「京散策 寺社めぐりと二条城編」 6月1日(水)~7月10日(日)
時間: 水・木・金 12:00、13:00、14:00、15:00、16:00
土・日・祝・休日 11:00、12:00、13:00、14:00、15:00、16:00
※所要時間は約40分、各回定員90名です。
料金: 高校生以上 500円、中学生・小学生 300円 未就学児、障がい者および介護者1名 無料
*総合文化展当日券(一般620円/大学生410円)とセット購入で一般1000円/大学生800円
*開演時間までにチケットをお買い求めください(当日券のみ)。
■ 実物大に高品位複製した「洛中洛外図屛風(舟木本)」展示について
本複製は、2009年に東京国立博物館と凸版印刷が共同で取得した「舟木本」の高精細デジタルデータを活用し、東京国立博物館の監修のもと、凸版印刷の高品位印刷技術により制作。屛風に描かれた極めて小さな人物表現の細部まで忠実に再現するとともに、経年変化で損なわれた色彩を、実物の雰囲気を壊すことなく復元しています。
「洛中洛外図屛風(舟木本)」実物大高品位複製
監修:東京国立博物館 デジタルデータ作成/製作:凸版印刷株式会社
期間: 2016年4月20日(水)~7月10日(日)
場所: TNM & TOPPANミュージアムシアター前室
寸法: 原寸(縦162cm×横342cm/一隻/六曲一双)
■ 「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」について
「TNM & TOPPAN ミュージアムシアター」は、VRによる文化財の新しい鑑賞方法を体験できる施設です。「バーチャルリアリティで時空を超える」をコンセプトに、東京国立博物館の収蔵品を中心とする文化財デジタルアーカイブをVR技術で可視化。専属のナビゲータのライブ上演で、あたかもコンピュータが生成する三次元空間の中にいるかのような感覚で文化財を鑑賞できます。文化財の往時の姿の再現や肉眼では鑑賞することが難しい細かなディテールの拡大など、デジタルならではの文化財との新たな出会いと楽しみ方を提供する空間です。
・超高精細4K(※3)プロジェクタによるVR映像投映
・スクリーンサイズ: 300インチ(横幅6.6m、高さ3.7m)
・座席数: 98席
・シアターウェブサイト: http://www.toppan-vr.jp/mt/
※1: VR
コンピュータで生成された三次元コンピュータ・グラフィックスの映像の中を自由に移動しながらその三次元空間にいるかのような感覚を体験することができる技術です。
※2: 文化庁 文化審議会答申~国宝・重要文化財(美術工芸品)の指定について~ 解説資料より引用
※3: 4K
米大手映画会社7社を中心とするデジタルシネマ標準化団体「DCI」(Digital Cinema Initiatives, LLC)が提唱するフォーマットで、フルハイビジョンの4倍以上の885万画素(4096×2160ピクセル、4K×2K)の解像度です。
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