凸版印刷株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)は、経済産業省と東京証券取引所が選定する、「デジタルトランスフォーメーション銘柄(以下DX銘柄)2023」に、3年連続で選定されました。
「DX銘柄(※1)」は、2015年より経済産業省と東京証券取引所が共同で、企業の戦略的IT利活用の促進に向けた取り組みの一環として、経営革新、収益水準・生産性の向上をもたらす積極的なIT利活用に取り組んでいる企業を選定するものとして開始されました。
2020年からはデジタル技術を前提としてビジネスモデルを抜本的に変革し、新たな成長・競争力強化につなげていく「デジタルトランスフォーメーション(DX)」に取り組む企業を、「DX銘柄」として選定しており、2023年度は、32社が選定されました。凸版印刷は、経営戦略とDXを一体化し、印刷物の製造事業の枠を超え、強み・技術を生かしてDX関連事業へ事業ポートフォリオ変革を推進している点等が高く評価され、今回の選定となりました。
凸版印刷におけるDXの取り組み
凸版印刷は、「DX」&「SX」を中期経営計画のキーコンセプトとして定め、ワールドワイドで「社会的価値創造企業」となることを目指し、抜本的な事業ポートフォリオ変革に着手しています。「DX」については、「Erhoeht-X®(エルヘートクロス)」というコンセプトを立上げ、情報サービス産業として、社会や業界、企業のデジタル変革を支援する事業の確立・拡大に取り組むとともに、社内では基幹システムの刷新やスマートファクトリー化などスピーディーに経営判断ができる仕組みの構築を行っています。
DX関連事業の基本となるビジネスモデルは、①デジタル化(システム、仕組みの設計・開発)、②BPO(リアルな現場オペレーション代行)、③データ分析(現場から得られる情報やデータの分析)、④コンサルティング(顧客事業の更なる効率化、付加価値向上の提案)の4つの機能を繋ぎ合わせ、サイクル型でスパイラルアップを推進することにより、社会や業界、企業におけるDX基盤構築へ継続的な貢献を行っていくものです。
DX関連事業の事例
① デジタルID認証事業
凸版印刷は、IoT時代の本格到来の下支えに向け、「デジタルID認証事業」を推進しています。これは電源を持たないリアルなモノの情報をシステム上で扱えるようにするため、デジタルID(サイバー空間上で使用される身分証明)を起点にモノの情報をサイバー空間に正しく取り込み、様々なデジタルサービスやデータ活用に繋げる、統合的なセキュリティ基盤を提供する事業です。
サービス機能構成は、①モノに貼付するRFID等のIDデバイス、②読み取りソリューション、③IDを認証するクラウド基盤、④ユニークID発行、⑤他システムとのAPI連携、の5つからなります。
本事業は、2021年より本格的に開始し、中国高級酒や贈答用高級茶の真贋判定、日本では高級キャラクターグッズの真贋判定に採用され実績が拡大しています。今後は注射器などの医療備品や医薬品などの真贋判定やトレーサビリティ市場を開拓していきます。また、本事業はブロックチェーン技術と親和性が高く、ブロックチェーン上に情報を正しく乗せる技術としても拡大していきます。
② 「自動見守り」事業
凸版印刷は、Well-beingなスマートシティの実現に向けた「まち」や「工場」「ビル」などにおける異常検知やセキュリティ需要に対し、次世代の低価格・広域無線通信技術であるLPWAを活用した「自動見守り」(人手を介さない状況監視)事業の立上げを進めています。
通信規格はLPWAの一つであるZETAを活用し、ユーザーがオンデマンドで基地局を設置できる柔軟性と、中継器を使用したヌケモレのない通信網の構築により、従来の監視技術では対応が難しかった場所の見守りを可能としました。人手による監視の負荷を大幅に軽減するとともに、全ての状況をデータで記録することから、将来に向けた環境改善、対策強化を科学的に支援します。
本事業は「まち」をまるごとDXする機能を提供する事業であり、今後はデータ分析による「まち」のレジリエンス向上や不便の解消、生活の付加価値拡大などを提案していきます。
「Erhoeht-X®(エルへートクロス)」について
「エルヘート」は、当社創業の原点である当時の最先端印刷技術「エルヘート凸版法」から名付け、語源であるドイツ語の「Erhöhen(エルホーヘン)」には「高める」という意味があります。
凸版印刷は、これまで培ってきた印刷テクノロジーの更なる進化とともに、先進のデジタルテクノロジーと高度なオペレーションノウハウを掛け合わせ、データ活用を機軸としたハイブリッドなDX事業を展開し、社会の持続可能な未来に向けて貢献していきます。
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以 上