当社開発の消火フィルム「FSfilm™」が、国際的な第三者認証機関のUL社より
製品性能の検証結果を認めた「UL検証マーク」を取得

 凸版印刷株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)は、火災発生時の熱に反応して、消火効果のあるエアロゾルを放出する「消火フィルム」を2021年2月より販売しています。このたび、リチウムイオン二次電池用に改良した消火フィルム「FSfilm™」(Fire Propagation Suppressing Film)を開発しました。本製品は、米国の第三者安全科学機関であるUL LLC.(本社:米国イリノイ州ノースブルック、以下UL社)から消火フィルムの分野で世界初となるUL検証マーク(Verifiled Mark)の認証を受けました。UL検証マークは、UL社が独自性を保持する第三者として科学的な検証を行い、客観的に認められた性能に対して発行されるマークです。
 今回認証を受けた消火フィルム「FSfilm™」は、リチウムイオン二次電池用に、凸版印刷が持つ塗工技術と「GL BARRIER」※の高いバリア性能を活用し、耐久力を高めた製品です。本フィルムはシールタイプとなっており、配電盤の配線ショートにより発火した時の初期消火はもちろんのこと、リチウムイオン二次電池のケース内に貼ることで、電池内の不具合による発火や延焼・類焼の抑制に、高い効果が期待されます。

「FSfilm™」のイメージ © TOPPAN INC.
「FSfilm™」のイメージ © TOPPAN INC.
「FSfilm™」のUL検証マーク
「FSfilm™」のUL検証マーク

検証マーク取得の背景

 モバイル機器やモビリティなど蓄電池の用途が広がるなか、リチウムイオン二次電池の使用はますます拡大し、さらに高出力化が進んでいます。しかしながら、その普及にともない、使用中のみならず廃棄時も含め、発火事故のリスクが高まっています。
 凸版印刷は、2021年より火災発生時の熱に反応して、消火効果のあるエアゾルを放出する消火フィルムを販売しています。このたび2022年に新しく制定されたリチウムイオン二次電池の類焼抑制規格(JSA-S1011:2022)にのっとり、製品性能の評価を行いました。

検証の詳細

・評価結果
 当試験は規格(JSA-S1011:2022)「リチウム二次電池システムに用いる類焼抑制フィルムの性能評価試験方法」に準じた性能評価です。その試験結果では消火フィルムの設置が無い状態では、リチウムイオン二次電池の発火時に隣接するリチウムイオン二次電池の類焼が40%発生するのに対し、消火フィルムを設置した試験条件のリチウムイオン二次電池は、類焼を0%に抑制できる効果が確認されました。当評価方法及び結果がUL社で認められ、「UL検証マーク」を取得することができました。検証に関する詳細情報は、オンラインデータベース
https://verify.ul.com/verifications/1168)にて公開されています。

・JSAについて
 JSA(日本規格協会、Japanese Standards Association)は日本の「規格」全般を網羅する機関であり、JIS(日本産業規格)など制定している国内唯一の「認定機関」です。

・UL検証マークについて
 UL社は、米国イリノイ州に本拠を置く試験・検査認証を行う企業です。電気製品や化学物質の材料・部品・装置・道具類や最終製品まで、機能と安全性の規格基準を設定し、同時に評価方法を策定、実際に評価試験を実施しています。UL社が実施する試験に合格した際に、UL認証マークやUL検証マークの使用を認めています。

今後の目標

 凸版印刷は、本製品を電池メーカーや電機メーカーなどに拡販し、2025年度までに関連事業含めて約50億円の売上を目指します。また今後、本製品を開発した技術をもとに防災に寄与する製品開発を行い、サステナブルな未来社会の実現に貢献します。

※ 「GL BARRIER」
「GL BARRIER」は凸版印刷が開発した世界最高水準のバリア性能を持つ透明バリアフィルムの総称です。独自のコーティング層と高品質な蒸着層を組み合わせた多層構造で、安定したバリア性能を発揮します。また多くの優れた特性が高い評価を受け、食品から医療・医薬、産業資材に至る幅広い分野で採用されています。印刷基材とバリア基材の双方の機能を兼ねることなどにより、アルミ箔代替、層構成の合理化を図ることができます。
URL:https://www.toppan.co.jp/living-industry/packaging/products/barrier_film/


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以 上

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