凸版印刷株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)は、商品情報を管理できる低価格のUHF帯ICタグ「SMARTICS®-U(スマーティックス・ユー)」シリーズを提供しています。このたび、新たなラインアップとして、液体が入った容器の読み取り性能が向上した「汎用広指向性モデル」を含む計3モデルを開発。製造、物流、医療・医薬業界に向け2023年10月より提供を開始します。
なお、今回追加される「SMARTICS®-U」シリーズは、2023年9月13日(水)から15日(金)まで開催される「第25回 自動認識総合展」(会場:東京ビッグサイト)の凸版印刷ブース(東5ホール・小間番号A-01)にて展示します。
開発の背景
近年、製造・物流分野において人手不足が深刻化しています。工場・物流・流通のサプライチェーンにおいては、原材料や製品の入出庫・在庫棚卸管理などの業務で、目視や紙の管理では限界がきています。また、医療・医薬分野においても、業務効率化や、患者の安全・安心確保のためロットや品質期限の管理の厳格化が求められており、原材料や製品を個品管理できるICタグ活用の重要性が高まっています。
凸版印刷は2017年より、流通・小売店舗向けに商品情報を管理する低価格ICタグ「SMARTICS®-U」を提供し、商品管理や棚卸業務の効率化に寄与してきました。
今回、電波干渉の要因となる液体が入った容器の読み取り性能を向上させた「汎用広指向性モデル」、様々な形状や小型のパッケージでも表示を隠すことなく貼付できる「小型・細型モデル」、ネットワークの利用制限などがある現場でICタグ側にロット番号の他、作業履歴情報などを記録できる「大容量メモリモデル」の計3モデルを新たに開発。RFIDを活用した個品管理による業務効率化や品質向上に貢献します。
本製品の特長
・汎用広指向性モデル
独自のアンテナ形状により、広指向性能を持ち、ICタグアンテナと読み取りアンテナの位置関係が正対していない状態でも電波が回り込むことで、安定的に読取りが可能です。商品内部に液体が入った樹脂容器に直接貼り付けた状態でも、アンテナサイズが同じ既存の当社汎用モデルと比較して、約4倍の通信距離での読取りを実現。液体入りの容器や密接した集合体でも、ICタグ自体の性能低減率を抑えました。これにより、医療・医薬品や化粧品など液体入り容器の入出庫棚卸管理や店舗内でのスマートシェルフなど幅広い用途においてICタグを読取り精度高く利用することが可能です。
・小型モデル/細型モデル
凸版印刷独自のアンテナ設計技術により開発された小型・細型のアンテナを搭載し、小型や細型形状のパッケージでも表示を隠すことなくICタグを対象物に貼り付けることが可能です。
・大容量メモリモデル
「汎用広指向性モデル」のアンテナモデルに大容量メモリを搭載したICチップモデルです。NXP®Semiconductors製のUCODE 9xmを採用することで、最大496ビットのEPCメモリ(※1)と最大752ビットのユーザーメモリを有しています。医療や製造現場ではネットワーク環境の構築や利用制限などによりオフラインでのシステム構築が必要な場合があります。それらの環境下でも運用可能な大容量のユーザーメモリを持つICチップを使用することにより、オフラインにて大きな情報を伝達する媒体(データキャリア)としてロット番号の他、作業履歴情報などを記録することが可能です。
今回追加される製品の仕様
モデル名 | 型番 | アンテナ寸法 | ラベル寸法 | 用途 |
汎用広指向性モデル | 1470U9_KB | 14.5×70㎜ | 20×76㎜ | 商品全般・ケース (医療・医薬品、化粧品、液体製品、書類など) |
小型モデル | 1426U9 | 14×26㎜ | 18×30㎜ | 小型パッケージ商品 管理(化粧品、雑貨など) |
細型モデル | 0460U9 | 4×60㎜ | 10×66㎜ | 細型パッケージ商品(医薬品、化粧品など) |
大容量メモリモデル | 1470U9XM_KB | 14.5×70㎜ | 20×76㎜ | 医療・医薬品 工場内指示書 など |
価格
各モデル1枚につき5円台~ ※ロット1億枚の場合
今後の目標
凸版印刷は、今回開発したUHFタグを含む「SMARTICS®-U」シリーズを国内およびグローバルに拡販し、2025年度に全世界で関連受注を含めて約20億円の売上を目指します。また今後も低価格ICタグ「SMARTICS®-U」の設計開発を進め、様々な業界の課題に対応したモデルのラインアップを拡充していきます。ICタグの拡販により様々な業界のDXを推進し、付加価値創造や働き方改革に貢献していきます。
「Erhoeht-X®(エルへートクロス)」について
「エルヘート」は、当社創業の原点である当時の最先端印刷技術「エルヘート凸版法」から名付け、語源であるドイツ語の「Erhöhen(エルホーヘン)」には「高める」という意味があります。
凸版印刷は、これまで培ってきた印刷テクノロジーの更なる進化とともに、先進のデジタルテクノロジーと高度なオペレーションノウハウを掛け合わせ、データ活用を機軸としたハイブリッドなDX事業を展開し、社会の持続可能な未来に向けて貢献していきます。
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以 上