TOPPANが保有する、細胞外小胞(エクソソーム)をイムノクロマト法で
検出する技術を活用し、診断薬や予防医学の発展に貢献

  • TOPPAN株式会社
  • 大日本塗料株式会社

 TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPAN株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:齊藤 昌典、以下 TOPPAN)と大日本塗料株式会社(本社:大阪府大阪市、代表取締役社長:里 隆幸、以下 大日本塗料)は、TOPPANが保有する細胞外小胞(エクソソーム)(※1)をイムノクロマト法(※2)で検出する技術(以下 本技術)に関する特許ライセンス契約(以下 本契約)を締結しました。
 本契約は、大日本塗料製「Exorapid-qIC™ 細胞外小胞用イムノクロマトキット」の設計・開発・製造・販売において本技術に関する特許の使用を非独占的に許諾するものです。
 TOPPANは本技術の活用を通し、早期診断や予防医学の発展に貢献していきます。

 大日本塗料は「Exorapid-qIC™ 細胞外小胞用イムノクロマトキット」を2023年10月23日(月)と24日(火)に開催される第10回 日本細胞外小胞学会学術集会の展示ブースにて初めて展示します。

背景

 日本人の死因第1位はがん(悪性新生物)で推移し、昨今では予防に加え、早期検査・早期診断が重要視されています。そのような中、ヒトの細胞から分泌される細胞外小胞(エクソソーム)は分泌元の細胞の情報を含む物質であり、血液や尿などあらゆる体液中に存在することがわかってきました。体液中の細胞外小胞(エクソソーム)を検出し、がんや認知症などの早期診断につながる簡便な検査技術の開発が期待されています。
 このような課題に対し、TOPPANはこれまで培ってきたリキッドバイオプシー(※3)に関する細胞外小胞(エクソソーム)の検出技術を応用して、細胞外小胞(エクソソーム)をイムノクロマト法で検出する技術を開発し、特許を取得しました。
 このたび、TOPPANが大日本塗料へ供与した「細胞外小胞(エクソソーム)をイムノクロマト法で検出する技術」は、細胞外小胞(エクソソーム)に関連した試験研究用検査試薬キットの設計・開発・製造・販売に使用されます。
 大日本塗料はディスク形状やロッド形状の異方性貴金属ナノ粒子(金ナノロッドや金ナノプレート、銀ナノプレートなど)の合成技術を有しており、協力会社とともにライフサイエンス分野への展開を試みています。このたび、金ナノプレートと、病原体を特異的に結合する「抗体」を複合化し、さらに、本特許の技術を活用することにより「Exorapid-qIC™ 細胞外小胞用イムノクロマトキット」を開発しました。

今後の展開

 TOPPANは、本特許に基づく技術を活用し、細胞外小胞を利用する創薬分野の次世代モダリティ(※4)の研究開発への貢献とともに、新規検出技術の開発を推進します。さらに、アンメット・メディカル・ニーズ(※5)を見据え、医療分野向けの新規診断技術の研究を推進します。

日本細胞外小胞学会学術集会

正式名称:第10回 日本細胞外小胞学会学術集会
会期:2023年10月23日(月)と24日(火)
場所:北海道大学 学術交流会館(北海道・札幌)
備考:参加登録 2023年10月20日(金) 18:00まで

※1 エクソソーム
様々な種類の細胞から分泌される細胞外小胞の一種。タンパク質や核酸を包含し、分泌された細胞の情報を多く含む。

※2 イムノクロマト法
多孔質体の中を液体が毛細管現象で流れ、体液などの検体中に含まれる物質を簡便に測定する技術。インフルエンザや新型コロナウイルスの検査キットなどに活用されている。

※3 リキッドバイオプシー
血液や体液などに含まれる成分を検出し、特定の疾患の診断や治療に必要な情報を取得すること。一般的な生検(バイオプシー)と比較し、体液(リキッド)を使用するため、人体に対して低侵襲な手法。

※4 次世代モダリティ
核酸治療、遺伝子治療、細胞治療など新しい治療方法に寄与し、従来の作用機序とは異なる医薬品分類の総称。

※5 アンメット・メディカル・ニーズ(Unmet Medical Needs)
未だ有効な治療が確立されていない疾患に対する、満たされていない(unmet)医療ニーズ。


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以  上

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