業務特化型LLMを活用した生成AIで、
社内システム改修や研究サポート業務の効率化を推進

 TOPPANホールディングス株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 TOPPANホールディングス)は、社内システムのプログラム開発業務に特化したLLM(Large Language Model:大規模言語モデル)生成AIの導入を開始しました。このたび、導入済み業務に関しての検証を行った結果、導入前に比べ、業務時間が最大約70%短縮したことを確認しました。
 本実証は、プログラマーがLLMを活用した生成AIを利用し、社内システムのプログラミング要約とコード作成などを実施。プログラム開発に費やす時間を生成AI導入前と比較しました。
 TOPPANホールディングスは、プログラム開発に限らず、技術アーカイブや研究業務のサポートなど、専門性の高い業務に特化した生成AIをOSS(Open Source Software)-LLMを使って構築し、TOPPANグループ全体で運用していきます。また、複数のLLMを集約したLLM-HUBを入り口にした生成AIを活用し、業務効率アップとともに、技術のデジタル化を通じ、技術伝承にも活用していきます。

業務特化型LLM-HUBの構築と生成AI活用のイメージ図 © TOPPAN Holdings Inc.
業務特化型LLM-HUBの構築と生成AI活用のイメージ図
© TOPPAN Holdings Inc.

背景

 昨今、生成AIの注目が高まるものの、実務における効果創出までは至らないことが多く、実効果を創出するための仕組みの構築が課題となっています。
 このような中で、TOPPANホールディングスでは、国内のグループ従業員約2万人に対し、汎用型文章生成AIサービス(※1)の活用を推進し、業務効率化とAIリテラシーの向上を図っています。
 また、近年のデジタル化やデジタルトランスフォーメーション(DX)活用の加速もあり、新しいシステムの構築だけでなく、既存システムの保守メンテナンスを行うプログラマーの不足が課題となっています。特に、レガシーと呼ばれる旧世代のプログラム言語で組み立てられたプログラムの解読や機能追加ができるプログラマーの不足は深刻な課題になってきています。
 このような課題に対し、TOPPANホールディングスはプログラム開発業務に特化したOSS-LLMの生成AIを導入し、生成AI導入前と比較し、プログラム開発に費やす時間を最大70%短縮することができました。

検証の概要

検証項目:社内システム開発におけるコード生成/プログラミング要約
実施期間:2023年8月1日~2023年10月31日
実施場所:TOPPANホールディングス デジタルイノベーション本部
検証結果:OSS-LLMの生成AIで、プログラミングの要約とコード生成を行い、導入前と比較して、プログラマーがシステム稼働を確認するまでに要した時間が、最大約70%短縮できた。

業務特化型LLMの特長

1.高セキュリティな環境で生成AIを運用可能
 OSS-LLMを活用し、自社サーバー上に生成AIを構築。高セキュリティな環境で運用しています。
2.特定業務に特化したLLMのため、高頻度で情報更新が可能
 LLMを特定の業務分野/領域に特化することにより、必要な学習量をおさえられ、高頻度での情報更新が可能。さらに半自動化にすることで、各LLMの情報を常に最新の状態に保つことができます。
3.業務に応じ、LLMを最適化し、高効率かつ低コストで運用可能
 業務の内容や要求レベルに応じ、LLMの性能および構築環境を最適化し、高効率かつ低コストでLLMを運用しています。

今後の予定

 業務特化型LLMの生成AIを国内外システムのプログラミング支援へ展開し、レガシーシステム対応を含めた社内全体システムの開発保守で30%削減を目指します。
 また、研究サポート業務や技術アーカイブなど、より専門業務へ展開し、その効果を検証するとともに、複数の業務特化型LLMを集約し、ユーザビリティを向上していきます。
 これらの取り組みは今後、国内外のTOPPANグループでの実証を継続し、業務特化型LLMを提供する外販サービスの展開も目指します。

※1 汎用型文章生成AIサービス
Microsoft 社が提供する Azure Open AI Serviceを利用し、TOPPANグループ向けにカスタマイズしたチャット型生成 AI サービス

* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以  上

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