TOPPANホールディングスのグループ会社であるTOPPANデジタル株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長:坂井 和則、以下 TOPPANデジタル)は、製造DX支援ソリューション「NAVINECT®(ナビネクト)」を2019年4月より販売しています。
このたび、工場や製造現場から自動で収集したデータの管理・分析の基盤構築により、現場の課題発見や改善提案をサポートするDXソリューション「NAVINECT®インサイト」シリーズの新製品として、装置情報をレポート化し、複数拠点との共有を可能とする「装置情報レポート」(以下、本サービス)の提供を2025年7月10日より開始します。本サービスは、これまで「NAVINECT®インサイト」で提供してきた保全レポート「MIoTASU®」(ミオタス)(※1)をリニューアルした新たなサービスです。
本サービスは、工場の製造ラインに設置される装置のデータやアラーム履歴を収集、レポートとして可視化し、複数拠点で共有が可能です。高頻度の装置情報の自動収集と分かりやすいレポートにより、異なる工場間での同一製品の製造装置データの比較などで、歩留まりの要因特定や全体最適に向けた改善活動を支援します。また、安全なセキュリティ管理のもとで自社工場間だけでなく外部装置メーカーとも情報共有することができ、異常の早期発見や迅速な対応を可能にします。
本サービスの提供により、全体最適を考慮した現場課題改善や予防保全を実現し、リアルタイムデータ活用などの更なるDX推進へつなげることが可能です。

開発の背景
製造業では、近年BCPにおけるリスク分散や輸送効率の向上のため複数工場で同一製品を生産するケースが増えています。しかし、歩留まりや生産性の改善活動が、各工場ごとのデータで行われていたり、情報共有が不足するなど、全体最適を考慮した現場改善や生産性向上に向けては課題があります。また、現場の人手不足により十分な設備保全や維持管理に十分な人員を確保できず、装置の異常やトラブルの兆候を現場だけで検知・対応するには限界があります。情報共有の遅れによって復旧や対策が後手に回ることもあり、製造現場全体の効率化や品質向上を実現するための仕組み作りが急務となっています。
これらの課題に対し、TOPPANデジタルは、「NAVINECT®インサイト」の新サービスとして「装置情報レポート」の提供を開始します。本サービスでは、新たに任意のデータ項目を選択して工場間で装置データを比較可能な機能や、製造現場内外の複数拠点・多人数でのデータ共有に適したクラウド環境での情報管理機能を付与しています。製造現場の装置データや生産情報を収集し、レポートとして可視化、複数の拠点や装置メーカーとリアルタイムで共有が可能です。これにより、全体最適に向けた情報連携の強化や改善活動の推進を支援します。
「NAVINECT®インサイト」シリーズ「装置情報レポート」の特長
・工場間や装置メーカーなど複数拠点で装置情報をリアルタイム共有
複数の工場や装置メーカーとリアルタイムで装置情報の共有が可能です。製造ラインの各装置から、一定周期の稼働データや異常を知らせるアラーム情報を自動収集し、装置情報レポートとして分かりやすく可視化します。例えば、同じ製品を生産する工場間で歩留まりや稼働率に差が生じた場合でも、各工場の装置情報を一覧化した比較機能により、早期の要因分析につなげることができます。これにより、工場間での状況連携やノウハウの横展開の迅速な対応を可能とし、製造現場の全体最適を支援します。また、装置メーカーとの情報連携では、異常やトラブルの兆候を早期に連携し、装置メーカーからの迅速な専門的サポートへ繋げます。予備品の事前確保、必要な交換部品の準備も可能となり、予防保全や改善活動も支援します。

・各拠点・関係者ごとに必要な共有情報の設定が可能
本サービスの環境構築時に、社内外の各拠点ごとに共有する装置情報の項目を予め設定することが可能です。工場や製造現場における生産情報などの社外秘情報は、外部への閲覧に制限をかけ共有します。TOPPANグループにおける厳格なセキュリティ管理下にあるクラウド環境での提供により、安全・安心な情報共有を実現します。
・業務工数の削減と情報の一元化(NAVINECT®クラウドアプリとの連携)
装置データの自動収集と一元管理により、従来は各現場で行っていた手作業によるデータ集計や整理の工数が大幅に削減されます。また、NAVINECTの各種サービスと連携することにより、装置情報のみならず、在庫・工程情報など製造現場の管理に必要な情報をクラウド上で管理・共有でき、製造現場全体のDXに貢献します。また、本サービスは「DockGator ®」(ドッグゲーター)(※2)を介してあらゆる装置との通信を実現し、様々な業界・業種への導入が可能です。
「NAVINECT®インサイト」シリーズ「装置情報レポート」サイト:
https://navinect.jp/app/sochijoho/
参考価格
・月額利用料:12万円〜(税抜)
※初期費用が別途必要となります。
今後の目標
TOPPANデジタルは、「NAVINECT®」を、製造業を中心に様々な企業に対して提供し、2025年度中に110社への導入を目指します。「NAVINECT®インサイト」シリーズでは、製造現場から出るリアルなデータをBIツールやAIなどのデジタル化技術を用いて細かな用途に対応した製品の開発を進め、複数を組み合わせて利用できる「NAVINECT®」の利便性を追求したソリューションの提供を図ります。
NAVINECT®について
「NAVINECT®」は顧客ごとにシステム設計から運用まで最適な形にカスタマイズし、製造現場のデジタル化を支援する製造DX支援ソリューションです。TOPPANグループがこれまで情報系、生活・産業系、エレクトロニクス系などの幅広い業種の生産品目に対応するため自社の製造現場で開発・運用してきた130ものアプリケーション群とデジタル化のノウハウが活かされています。2019年4月にオンプレミス型の「NAVINECT®」の提供を開始し、現在は4つのシリーズで製品を提供しています。
製造現場のDX導入を手軽に支援する「NAVINECT®クラウド」、生産装置や機器のデータをリアルタイムで収集・活用する「NAVINECT®エッジ」、生産ラインのDX化をトータルで支援する「NAVINECT®ラインビルド」、データ分析・レポート化で改善活動を支援する「NAVINECT®インサイト」。汎用性・網羅性・拡張性のある豊富な製品群により製造現場のデジタル化における段階的なスケールアップから拠点間の連携まで製造業全体のDXを推進します。これまで、食品業界をはじめ自動車部品・化学・住宅設備・製薬業界に至るまで、幅広い業界に採用されています。
「NAVINECT®」公式サイト: https://navinect.jp/
「Erhoeht-X®(エルへートクロス)」について

「エルヘート」は、TOPPANグループ創業の原点である当時の最先端印刷技術「エルヘート凸版法」から名付け、語源であるドイツ語の「Erhöhen(エルホーヘン)」には「高める」という意味があります。
今まで培った印刷テクノロジーの更なる進化とともに、先進のデジタルテクノロジーと高度なオペレーションノウハウを掛け合わせ、データ活用を機軸としたハイブリッドなDX事業を展開し、社会の持続可能な未来に向けて貢献していきます。
産業機械の付帯機能として、装置に標準搭載されたIoT機能を活用した装置データの中・長期的な変化の見える化/集計機能を提供。
※2 「DockGator®」
様々なデバイス、システム(「NAVINECT®」を含む)、サービスをつなぐハブとなってデータを収集・連携することで、大きな開発負荷を掛けることなく装置の監視や自動制御を可能にするパッケージソフトウェアです。
「DockGator®」紹介サイト:https://navinect.jp/app/dockgator/
* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。
以 上