TOPPANホールディングス株式会社(本社:東京都文京区、代表取締役社長CEO:麿 秀晴、以下 TOPPANホールディングス)は、旭化成株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:工藤 幸四郎、以下 旭化成)が保有するPTP(※1)脆性フタ材の特許技術を譲受することで合意し、2025年11月28日に譲受を完了しました。
TOPPANホールディングスは本譲受により取得した脆性フタ材の特許技術とTOPPANグループが有するバリア技術をはじめとするパッケージング技術とを融合させ、グローバル市場におけるPTP包装への本格参入を目指します。
脆性フタ材を活用したPTP包装サンプル画像
背景
昨今、欧州をはじめとする世界的な環境規制の強化や、企業のサステナビリティへの取り組みの加速により、包装材における脱アルミ化やモノマテリアル(単一素材)化へのニーズが急速に高まっています。
同様に、高度な品質管理が求められる医療医薬業界においても、環境に配慮した包装材の需要が高まっているものの、医薬品包装は内容物の安定性を保つための高いバリア性が不可欠であることから、現状ではその機能を実現するアルミ箔が主に使用されています。
TOPPANグループは、「Digital&Sustainable Transformation」を中期経営計画のキーコンセプトとし、「DX」と「SX」によってワールドワイドで社会課題を解決するリーディングカンパニーを目指しています。パッケージ事業においては、環境負荷の軽減と資源循環社会実現への貢献を重点課題に挙げ、環境に配慮したサステナブルパッケージの開発や供給拡大に注力してきました。
このたび、さらなるサステナブルパッケージの供給拡大に向け、医療医薬業界で課題となっている医薬品包装の脱アルミ化やモノマテリアル化に着目し、PTP脆性フタ材に関する特許技術を取得しました。これにより良好なプッシュスルー性(錠剤やカプセルなどの薬剤の押し出しやすさ)やバリア性などの機能を維持しつつ、環境負荷を低減する次世代のPTP包装への本格参入を実現していきます。
本特許技術とTOPPANグループが有する技術とのシナジー
・脱アルミ仕様の実現
フィルム製膜技術と最適な材料設計で生産した脆性フィルムの活用による良好なプッシュスルー性能と、TOPPANグループの透明バリアフィルムであるGL BARRIER(※2)の加工技術を組み合わせることで、PP(ポリプロピレン)仕様などのフタ材による脱アルミPTP包装を実現します。
・モノマテリアル化による環境配慮
PTP包装のフタ材はアルミ箔、底材はPVC(ポリ塩化ビニル)やPPといった異なる材質であることが一般的です。今回の脆性フタ材はPP樹脂仕様であることから、PP仕様の底材と組み合わせることでモノマテリアル化が可能となります。
・サステナブル印刷技術の活用
TOPPANグループの有する、溶剤をほとんど使用しない印刷手法である水性フレキソ印刷を始めとした、様々な環境配慮印刷技術を適用することで、さらなる環境配慮を実現するとともに、細線の再現性に優れるなど高い印刷適性によって、生活者の視認性向上にも貢献します。
特許技術の譲受内容
フィルム製膜技術と最適な材料設計で生産した、良好なプッシュスルー性能を有する脆性フィルムの基本特許を含む特許群 計12件。
今後の目標
TOPPANグループは本取得特許技術を活用して、機能性と環境適性を両立させたPTP包装を2025年度中に開発完了し、サンプル出荷を目指します。また、今後もサステナブルパッケージの供給拡大に積極的に取り組み、持続可能な社会の実現に貢献していきます。
TOPPANグループのサステナブルブランド「SMARTS™」について
「SMARTS™」は、パッケージを起点としたTOPPANグループのサステナブルブランドです。パッケージで培った技術・ノウハウに、マーケティング・DX・BPOなどのリソースを掛け合わせ、バリューチェーンに沿った最適な選択肢を提供します。TOPPANは、「SMARTS™」が持つ多彩なソリューションで、ステークホルダーの皆さまとともに持続可能な社会の実現に貢献します。
URL: https://www.toppan.com/ja/living-industry/packaging/sustainability/
錠剤やカプセルなどをプラスチックシートと、アルミ箔やフィルムで挟む、薬剤を包装する手法の一つ。
※2 GL BARRIER:
「GL BARRIER」はTOPPANが開発した世界最高水準のバリア性能を持つ透明バリアフィルムの総称です。独自のコーティング層と高品質な蒸着層を組み合わせた多層構造で、安定したバリア性能を発揮します。また多くの優れた特性が高い評価を受け、食品から医療・医薬、産業資材に至る幅広い分野において、世界中で採用されています。
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以 上


