BCP策定の意義TOPへ戻る

TOPPANグループでは、情報系、生活系、エレ系、フロンティア系といった事業を通じて、お客さま企業へ様々な製品やサービスを提供しています。BCPの策定は、災害が発生した際に、従業員の安全を確保しつつ、事業の中断を最小限に留めるための備えとして、大変重要であると認識しています。
他方、平時においては、全社的なBCMの取り組みを通じて、ステークホルダーの皆さまに対して、危機管理に関する説明責任を果たせると同時に、従業員の防災意識、危機管理意識が高まり、災害に強い企業風土を醸成できるといった利点があると考えています。
事業継続力の強化を通じて、供給責任におけるお客さまからの信頼感が高まり、災害に強い企業として、社会からも信頼されるよう、今後もBCP/BCMの取り組みを進めていきます。

BCPとは、事業継続計画(Business Continuity Plan)の頭文字をとったもので、自然災害や事故など、突発的な危機事象が発生しても、重要な事業を中断させない、または中断しても可能な限り短い期間で復旧させるための方針、体制、手順等を示した計画を指します。また、BCPの策定を含み、事業継続を実現するための平時のマネジメント活動をBCM(Business Continuity Management)と呼びます。

推進体制TOPへ戻る

2010年12月にBCP策定の取り組みに着手し、翌年の3月に発生した東日本大震災を機に水平展開を加速すべく、本社の法務本部にBCP推進室を設置しました。以降、BCP推進室が主管部門となり、TOPPANグループ全体のBCMを統括しています。
拠点の活動は、各事業(本)部、グループ会社、主要子会社に組織されたBCP事務局が主導し、個々の事業に対応したBCMを運営しています。なお、セキュア系事業においては、お客さまからの信頼に応えるために、事業継続マネジメントシステム(ISO22301)の認証を取得しています。

TOPPANグループのBCP推進体制
TOPPANグループのBCP推進体制

平時の取り組みTOPへ戻る

災害が発生した際に、全ての要員が役割を理解し、対策本部が機能を発揮できるよう、名拠点で教育と訓練を行っています。教育では、主に復旧対応の流れ、各対応班の役割、情報共有ツールの使用方法を学びます。また、訓練では、主に対策本都の立ち上げ、安否確認、惰報収集といった初動対応の手順を確認します。その他、災害復旧の対応方針を定めた災害対策計画、および各対応班の活動を定めた行動手順書の改訂も行っています。
一方、BCP推進室では、各拠点の取り組みレベルを底上げすべく、チェックシートを用いた活動評価とヒアリングを行っています。ヒアリングでは、前年度の活動状況を振り返り、達成率の低い項目について、課題の共有と対応策のすり合わせを行います。
その他、事務局員向けの連絡会や、TOPPANグループのサプライチェーンの強化を念頭に、サプライヤー向けの勉強会を開催しています。また、従業員向けの啓発活動として、ホームページによる情報発信を行っています。

教育・訓練

新型コロナウイルスへの対応を機に、全社的なリモートワーク環境が整いました。よって、これまで集合形式で行ってきた教育や訓練も、現在は様々な場所から参加できるよう、現在はオンライン形式で行っています。例えば、建屋診断教育では、講師が建屋の診断箇所を事前に調査しておき、図面と写真を示しつつ、診断方法をリモートで解説していきます。その他、サプライヤー向けのBCP勉強会では、講義やワークショップをオンライン形式で行っています。

建屋診断教育のテキスト

建屋診断教育のテキスト

一方、訓練では、ネットワーク上に対策本部を組織して行っています。以下に示す訓練は、上位の対策本部と傘下の拠点対策本部との連携を確認するもので、それぞれの対策本部は、進行役から示される状況設定に沿って復旧活動を行います。参加者は職場の会講室や自宅から訓練環境に接続し、個々に与えられた役割に従い、情報付与係から届く指示や連絡、問い合わせに対応します。

訓練進行役の様子

訓練の進行画面

訓練の進行画面

リモート訓練における連携イメージ

今後は、新型コロナウイルスの対策緩和をうけて、実習を伴う教育、訓練については、集合形式へ戻すことも検討しています。

定例会

事務局員の意見交換や、情報共有を目的として、連絡会を開催しています。事業(本)部の事務局員を対象とする会議は四半期ごと、同じく関係会社の事務局員を対象とする会議は半期ごとに開催しています(現在、製造系の主要企業10社で開催)。
その他、在京本部の事務局員を対象に、特定の課題やテーマについて検討する会議も、随時開催しています。

情報発信

BCPの実効性を高めるには、従業員の被災を最小限に抑える必要があります。BCP推進室では、従業員の防災意識を高めるとともに、災害時に役立つ情報の提供を目的として、2つのホームページを開設しています。1つ目のサイトは、従業員およびご家族向けに防災情報を発信する「防災のこころえ」です。このサイトは、TOPPANホームページ下部のバナーからアクセスします。

2つ目は、社内向けのポータルサイトです。このサイトでは、災害対策基本計画や教育資料、安否確認システムなどのマニュアル類を公開しています。こちらはTOPPAN情報ポータルサイト内の、関連情報ページにバナーを開設しています。

BCPポータルサイト
※社外には公開しておりません。

災害時の対応TOPへ戻る

災害発生時、被災拠点およびその拠点を管轄する事業(本)部、子会社、グループ会社に対策本部を設置します。同時に、凸版印刷に全社対策本部を設置します。全社対策本部は、対策本部長、対策副本部長、対策本部長補佐を筆頭に、対策本部担当役員、および管理職を中心とする全社対応班で組織されます。なお、全社対策本部には立ち上げ基準があり、災害対策基本計画に明記しています。また、小石川ビルが被災した場合に備え、関西地区に代替対策本部の体制を整えています。
被災拠点では、安否確認や応急救護などの初動対応を最優先に、復旧活動を開始します。一方、全社対策本部は、拠点の支援体制を整えつつ、被害状況の調査を開始します。そして、被害の全体像を確認した後、事業継続戦略に基づき復旧計画を策定します。この時、目標時間内での復旧が困難な場合は、自社工場、または社外関係先での代替生産を検討します。復旧計画の実施にあたっては、関係部門で調整しつつ、事業の優先度(経営判断)に応じたリソース配分を行います。
全拠点の復旧が完了した後、全社対策本部は解散し、BCP推進室が活動を総括します。一連の復旧対応で見つかった課題は、全社のBCP事務局、および対策本部要員で共有し、関連文書を改訂することにより、今後の災害対策へ反映させます。

TOPPANグループの災害時対応体制

複合災害への備えTOPへ戻る

国内では、新型コロナウイルスの流行が終息しない中、震度5以上の比較的大きな地震が多発し、河川の氾濫を伴う深刻な水害が毎年発生しています。長期的には、南海トラフ地震、首都直下地震といった震度7クラスの地震が高い確率で発生するとの予測もあり、複合災害の発生リスクが高い状況にあるといえます。
一方、海外では気候変動に伴う洪水や干ばつが各地で発生し、熱波による山火事や、大型ハリケーンの上陸による被害も毎年報告されています。さらに、地政学リスクの高まりによる経済活動への影響も加わり、企業を取り巻くリスクは多様化しています。
以上を踏まえ、TOPPANグループでは、全社対策本部の立ち上げ基準を改定しました。従来の基準は、主に地震の被害に基づいていましたが、新しい基準は、経営資源への影響度合いに基づいています。災害(原因事象)を限定せず、結果事象の最小化を追求していくことが、「オールハザード型BCP」の実現につながると考えています。

オールハザード型BCPの概念図

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