グループ連携・協働組織TOPPAN Packaging Platform(TPP)でサステナブルパッケージビジネスを加速(2023年 6月)

2023年6月、TOPPAN株式会社(2024年2月現在)グローバルパッケージ事業部の主導により、TOPPAN Packaging Platform(以下、TPP)が発足しました。パッケージ事業を担うグループ企業の連携・協働によるシナジーを発揮し、オールTOPPAN対応でグローバルなマーケティング活動を強化しています。

TPPとは

TPPは、TOPPANのパッケージ事業を強化拡大し、売上増と中期経営計画の目標達成を目指すために組織化された、グローバルな会議体であり推進体です。グローバルパッケージ事業部営業推進本部の呼びかけのもと、現在、海外10社のグループ会社、グローバルパッケージ事業部からの代表15名以上がメンバーとして参加。5人のコアメンバーによる「月次戦略会議」や四半期毎に開催する全体での「全体会」等、情報共有、課題検討の会議にとどまらず、得意先への共同訪問や提案活動、展示会への共同参加など、新規案件獲得のための活動を協働プロジェクトとして推進しています。

TPP設立の背景

TOPPANは、中期経営計画の成長事業として「国内SX・海外生活系」を位置づけ、海外生活系では、SXパッケージへのシフトによる高付加価値化とグローバル事業の拡大を進めています。グローバルにおいては、地産地消の体制構築や各拠点における能力拡大が課題であり、これを解決するため、成長地域でM&Aを積極的に進める一方、保有拠点での生産キャパシティ拡大、地域間の連携強化を図っています。
パッケージ市場では、国内外の堅調な拡大と欧州での環境ニーズの高まりによるSX包材需要の伸長が顕著であり、TOPPANはグループとしてシナジーを発揮しこの需要を取り込むことで成長をめざしています。

TPPの体制と活動

<体制>
プロジェクトオーナー:久木田 慎一 本部長(グローバルパッケージ事業部 営業推進本部)
プロジェクトリーダー:吉田 篤志(同上)

<課題>
・グローバルブランドオーナーへの提案加速
・グループシナジー最大化
・TOPPANのブランディング強化

<活動>
・情報共有(顧客、市場、ケイパビリティ)のための月次戦略会議、全体会運営
・ニーズ獲得のための協働訪問、展示会出展
・得意先ニーズに応えるための地域間連携によるソリューション開発や提案 等

発足以来の取り組み、成果

・社内ケイパビリティ相互理解による重点得意先の選定、および戦略的アプローチによる大手ブランドオーナーとの大型プロジェクト化(タスクフォースとして進行中)
・海外展示会への協働出展を通じたブランドオーナーへのワンストップソリューション提案
・TPP活動を通じた社内人脈により地域内の連携ワークショップが発足。地域ブランドオーナーへの戦略的アプローチ開始

Q1. TPP設立にあたってのプロセスと思いをお聞かせください。

2023年4月にグローバルパッケージ事業部へ異動しました。 様々な仲間との会話を通じ、これだけの数の海外グループ企業を持つTOPPANに対して、自分が何かできることはないかと考えはじめた頃、直属上司(久木田本部長)からグローバル横断連携の構想を共有いただき、具体的に動き出すことになりました。自分の過去の経験から、グループ企業が協力し、強みを生かして補完し合えば、もっとマーケティング活動を強化できると、直感的にやるべきことが浮かんだのを今でも覚えています。
仲間と共に仮説を基にディスカッションを行い、その資料を持って少人数で手分けをして海外関係会社のキーメンバーとのコンセプト共有を開始し、この対話を徐々に拡大していきましたが、話していくうちに「まずは、やってみよう」と合意。そのあとは皆さんの協力のおかげで発足までスムーズに進みました。アジア域内での横断連携の取り組みは前職で経験していたのですが、全世界を相手にしたマネジメントは初めてなので、受講したグローバル研修を思い出しながら今でも必死にもがいています。実際にお会いした事がないメンバーもいますから積極的にWeb会議を活用しながらコミュニケーションをとっていきたいと思います。

Q2. TPPを運営してどのような手ごたえや成果が得られましたか。

メンバーとの対話を重ねて、「お互いが共通の目標を持つ仲間」という思いが芽生えてきました。とても優秀な人財が多く、シナジー発揮によるワンストップソリューション提案によって、様々なベネフィットが期待できそうだと気づき、ワクワク感が出てきました。実際に商業化の期待が持てる大手ブランドオーナーとの大型プロジェクトも走り出していますし、この連携がなければ実現できなかったかもしれません。こういった成功体験を通じメンバーのモチベーションも高まったと思います。この連携を通じて、TOPPANに入って良かった、TOPPANグループの一員で良かったと思っていただけると良いですね。
また、連携して動くことで、TOPPANブランドをうまく活用できるようになりました。実は、現地企業対ブランドオーナーだけの関係性では、その企業がTOPPANグループの一員であることをブランドオーナーにご理解いただけていないことがあります。オールTOPPANとしてアプローチすることで、ブランドオーナーからの認知も高まり、1社だけではなくグローバル全体での提案をして欲しいという要望も出てきました。先方の期待値も上がり、それに答えるために連携がさらに高まるという、良い循環が生まれています。

東南アジア地域ワークショップ

Q3. 今後の課題感、展望についてはいかがでしょうか。

過去の経験から、重要な課題は2年目からみえてくる、と考えています。最初は盛り上がっていても成果が見えない状態が続き、国民性や文化、言語表現の違いで意思疎通ができにくくなるという問題も加わると、メンバーのモチベーションも下がってしまいます。こうした傾向を未然に防ぐため、適宜にWeb会議を活用してOne on Oneのミーティングを設定し、全体会の場では拾いきれない声を集めて、なるべく反映できるようにフォローしています。グローバルな体制を運営していくには、相手を尊重して様々な「違い」を認め合い、柔軟に対応していかなければと思っています。
今後も全体の協力体制を維持しながらケイパビリティを高めていくには、何よりも自分自身が、皆が見やすい旗をたててリードし続けていかなければいけないと肝に銘じています。

EMEA(Europe、Middle East、Africa)地域ワークショップ

PACKEXPO 2023(米国)にて