プラスチックボトルからの代替が可能な新しい紙パック「キューブパック™」を開発、
浴室や洗面所などの水回りで幅広い用途に使用可能、2021年4月より生産開始

 凸版印刷株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役社長:麿 秀晴、以下 凸版印刷)は、「価値あるパッケージ」で、よりよい社会と心豊かで快適な生活に貢献する「TOPPAN S-VALUE™ Packaging」を掲げ、「ちきゅう」に価値ある「サステナブル バリュー パッケージ™」を提供しています。
 「サステナブル バリュー パッケージ™」で提供するラインアップの1つとして、2019年2月に、プラスチックボトルからの代替が可能な新しい紙パック「キューブパック™」を開発しています。このたび「キューブパック™」の生産設備を導入し、2021年4月より本格生産を開始することとなりました。また、太陽油脂株式会社のボディソープ製品、株式会社コーセーの日やけ止めクリーム製品にて、「キューブパック™」の本格採用が決定しました。
 本製品は、浴室や洗面所など水回りでの使用時に、水と常時接着する底部付近に紙端部を設けない独自構造により、プラスチックボトルとほぼ同等の耐水性を実現したものです。また、従来の紙パックではその構造上不可能だった、口栓を中央につけられる形状も実現しており、ポンプを付け替える「付け替え容器」しての使用が可能です。
 企業は本製品を採用することにより、プラスチックボトルと比較して、石化由来材料を約55%削減できます。また、既存のプラスチックボトルの充填機の流用で、充填が可能です。
 なお、本製品は2021年2月24日(水)から26日(金)に開催される「TOKYO PACK 2021-東京国際包装展-」(会場:東京ビッグサイト)の凸版印刷ブース(南1ホール・小間番号S1-12)に出展します。

「キューブパック™」のサンプル
「キューブパック™」のサンプル
© Toppan Printing Co., Ltd.

株式会社コーセー 日やけ止めクリーム 「サンカット マイルド クリーム」
株式会社コーセー 日やけ止めクリーム 「サンカット マイルド クリーム」

開発の背景

 近年、世界的に社会課題となっている廃棄プラスチックによる海洋汚染問題を受け、環境負荷を低減するパッケージにも注目が集まっています。
 凸版印刷はこれらの課題に対し、再生プラスチックを用いた包装材、単一素材でリサイクル可能な包装材、紙やバイオマスプラスチックなど植物由来材料を用いた包装材の開発を推進しています。
 このたび、紙容器では難しいとされていた水回りでの常時使用が可能な耐水性の高い紙パック「キューブパック™」を開発。特殊形状により口栓を中央につけられる構造を実現したことにより、ポンプの付け替えでの利用も可能です。

「キューブパック™」の特長

・水回りでの使用が可能
 独自の容器構造により、容器の底部に紙の端面が露出しない構造を実現。これにより、紙パックとして業界で初めて、浴室やキッチン、洗面所など、濡れた場所にも常時設置が可能です。

・プラスチックボトルと比較して、石化由来材料を約55%削減
 本製品を採用することで、従来のプラスチックボトルと比較して石化由来材料を約55%削減できます。
また、基材となる紙素材には森林認証紙の使用も可能です。

従来のプラスチックボトルとの比較

・既存の充填機の流用が可能
 「キューブパック™」への内容物の充填には、既存のプラスチック容器の充填機を使用することが可能です。

・ポンプの使用が可能で、「付け替え容器」として、人にやさしい容器を実現
 独自の容器構造により、口栓を中央につけられる特殊形状を実現。これまで紙パックでは難しかった、ポンプの使用が可能です。これにより、使い終えたらポンプだけを新しい容器に付け替える「付け替え」容器としての使用が可能です。

「付け替え」で使いやすい

・内容物の品質保持にも対応
 紙パック内部に凸版印刷が独自開発した透明バリアフィルム「GL FILM(※1)」をラミネートすることにより高い品質保持性を有しています。

・平らな状態での納品が可能なため輸送・保管コストを削減
 本製品は平らな状態から、ボックス型に組み立てる「組み立て式」を採用。最初は凸版印刷にて製函し、お客様に納入する形でスタート致しますが、将来的には、お客様の生産ラインに製函機を導入し、製函して頂くことにより、「キューブパック™」を平坦な状態で輸送・保管することが可能となります。これにより、占有容積を従来の同容量のプラスチックボトルと比較して大幅に削減できるため、積載効率の向上や保管スペースの大幅な削減が可能です。

将来的なキューブパックの生産~製函~充填の流れ
将来的な「キューブパック™」の生産~製函~充填の流れ

採用いただいた企業からのコメント

 ・太陽油脂株式会社 石けん・化粧品営業企画グループ グループリーダー 内山 洋 様
太陽油脂は、「心豊かで健康的な暮らしの実現と、社会・自然の持続可能な発展に貢献する」ことを自らの使命とし、事業活動において、環境への取り組みを積極的に行っております。この取組の中で、プラスチックの使用量削減の観点から、「キューブパック™」に着目し、製品で採用することとなりました。今後「キューブパック™」の採用製品の拡大を通じて、環境への取組を更に加速して参りたいと考えております。

 ・株式会社コーセー 執行役員 商品デザイン部長 長谷川 匠 様
コーセーは、2020年4月に「コーセー サステナビリティ プラン」を発表し、持続可能な社会・地球環境への貢献を目指した取組を推進しております。この取組の中で、凸版印刷の「キューブパック™」と出会い、今回日やけ止めクリーム製品で採用させて頂きました。「キューブパック™」を始め、凸版印刷のこれからの環境対応パッケージの開発に大いに期待をしており、今後も両社のコラボレーションを推進して参りたいと考えております。

今後の目標

 凸版印刷は、本製品を化粧品・トイレタリー業界など、プラスチックボトルを使用する企業に向け拡販、2022年度に約10億円の売上を目指します。

「TOPPAN S-VALUE™ Packaging」について

TOPPAN S-VALUE™ Packaging
凸版印刷は、「価値あるパッケージ」で、よりよい社会と心豊かで快適な生活に貢献する「TOPPAN S-VALUE™ Packaging」を掲げ、「ひと」に価値ある「スマートライフ バリュー パッケージ™」、「しゃかい」に価値ある「ソーシャル バリュー パッケージ™」、「ちきゅう」に価値ある「サステナブル バリュー パッケージ™」を提供します。
ひと/スマートライフ バリュー パッケージ™
「ひと」/「スマートライフ バリュー パッケージ™」
円滑な購入や効率的な保管、美味しく仕上がる調理、簡便な廃棄、安全・安心な取り扱いなど、生活のさまざまな場面に最適な価値を提供し、コミュニケーション媒体として顧客体験を最大化させるソリューションを展開します。
しゃかい/ソーシャル バリュー パッケージ™
「しゃかい」/「ソーシャル バリュー パッケージ™」
サプライチェーンにおいて発生する業務効率化、生産性向上、販売の最適化などのさまざまな課題を解決し、継続的な企業活動を実現する価値あるパッケージやサービスを展開します。
ちきゅう/サステナブル バリュー パッケージ™
「ちきゅう」/「サステナブル バリュー パッケージ™」
再生プラスチックを用いた包装材、単一素材でリサイクル適性を向上した包装材、植物由来材料の紙やバイオマスプラスチックを用いた包装材など、環境負荷の低減と循環型社会の実現につながるソリューションを展開します。

<URL> https://www.toppan.co.jp/living-industry/packaging/sustainability/ 

「TOKYO PACK 2021」について

名称:TOKYO PACK 2021 -東京国際包装展-
会期:2021年2月24日(水)~26日(金)
開場時間:10:00~17:00(来場登録受付開始 9:30)
会場:東京ビッグサイト 西1~4ホール、南1~2ホール
テーマ:未来(あす)を拓く 包みのテクノロジー
主催:公益社団法人日本包装技術協会
公式サイトURL: https://www.tokyo-pack.jp/
凸版印刷のオンライン展示会サイトURL:https://v-messe.jp/custom/plaza/2021/tokyopack/

アクセス情報

トッパンブースへのアクセス
・東京ビッグサイトまでのアクセス
りんかい線 国際展示場駅(下車 徒歩7分)
ゆりかもめ 東京ビッグサイト駅下車(下車 徒歩3分)

・トッパンブースの位置
南1ホール 小間番号S1-12
※1 GL FILM
凸版印刷が独自に開発した透明バリアフィルムです。独自の蒸着加工技術による世界最高水準のバリア性能と用途に応じた豊富なバリエーションによって、国内だけでなく欧州を中心に北米、東南アジアなど海外市場でも高い評価を得ています。今日では透明蒸着バリアフィルム市場のトップブランドとして、約45の国と地域、約15,000点の商品に採用されています(2018年12月時点)。
* 本ニュースリリースに記載された商品・サービス名は各社の商標または登録商標です。
* 本ニュースリリースに記載された内容は発表日現在のものです。その後予告なしに変更されることがあります。

以  上

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