オープン・イノベーションの時代、始まる

市場ニーズの多様化、製品サイクルの短期化。市場環境が猛烈なスピードで変わる現代において、自前主義での顧客ニーズへの迅速な対応が難しい時代に突入しました。この現状に鑑みて多くの大企業は、外部の会社と連携し、新しい事業を立ち上げる「オープン・イノベーション」へ舵を切っています。

オープン・イノベーションにおける連携相手は大企業だけではありません。近年注目を集めるベンチャー企業もその対象。新しい価値を生み出すベンチャー企業と、歴史と信頼をもつ大企業が連携することで、新たな市場・ビジネスモデル・技術を創造していくのです。

ベンチャー出資を通じて、新しい社会を創る

TOPPANはオープン・イノベーションに取り組むべく、2016年からすでに30社以上のベンチャー企業への投資を実施。ベンチャー企業との連携を深め、幅広い分野で共創しています。

TOPPANがベンチャー企業への出資を通じてオープン・イノベーションに取り組む目的は2つ。「ベンチャー企業の叡智を活用し、既存事業に新たな価値を生み出すこと」。そして、「既存事業の延長ではなしえない、新しい分野へ挑戦すること」です。

ここではスマートシティや保育分野で、ベンチャー企業に出資した事例を紹介しましょう。

スマート社会実現に向けたIoT通信インフラの構築

TOPPANは印刷テクノロジーで培ったノウハウを活かし、Society5.0で掲げられているスマート社会の実現に向け、IoTを活用した社会課題解決型の事業に取り組んでいます。

IoTの普及に不可欠な「通信技術」ですが、これもベンチャー企業との協業によって、IoTに適した革新的な通信技術を用い、新たなソリューションを提供できるようになりました。

TOPPANは低電力広域ネットワーク(LPWA)規格である「ZETA」の通信モジュールを日本で初めて開発。この開発に先立って、ZETAを活用したIoT事業を展開しているベンチャー企業、株式会社テクサーに出資しています。

この出資により、TOPPANが保有するモジュール設計技術を活かし、ZETA通信モジュールの小型化及び高性能化を実現。また、情報セキュリティ技術やメディア開発技術を活かしたデータの一元管理やアプリ開発まで、「モノづくり」と「コトづくり」の両面からサービスを提供しています。

テクサーが展開する、マルチホップにより通信エリアを拡大できるZETAの特徴を活かして、山間部や屋内施設など、これまでLPWAの導入が難しかった箇所でも、お客さまの課題に対するソリューションを提供することができるようになりました。テクサーとTOPPANは連携してスマート社会の実現に向けた情報インフラの普及に貢献しています。

保育士や家族を支える、新しいプラットフォーム

絵本や図鑑などの児童書や、保育園・幼稚園に向けた遊具などの情報を発信しているTOPPANの完全子会社「フレーベル館」。IoTやAIの力を活用することで、保育業務の負担軽減や保育の品質を向上する「スマート保育園」の実現を目指すユニファ株式会社と、TOPPANによる出資を通じて協業しています。

フレーベル館は、自身がもつ保育園関連のネットワークを活かして、ユニファを営業面から支援。またユニファのインターネットを活用した園児の写真・動画販売サービスや園児の午睡チェック等のヘルスケアサービスと自社サービスの協業により、ICTを活用した総合的な子育てプラットフォーム事業を生み出しました。

現代の日本において、子育てや保育の課題は深刻な社会問題の一つです。ユニファとTOPPANが協業し新たなソリューションを生み出すことで、保育士の業務負担の軽減や、保育の品質の向上が期待できます。TOPPANはベンチャー企業への出資を通して、保育園を中心とした子育てに関わる皆さんの暮らしに貢献しています。

ベンチャー企業とTOPPANで創る、まだ見ぬ世界

TOPPANは1900年の創業以来、自らが培った印刷技術やICT技術を用いて、消費者のために「情報流通の仲介者」の役割を果たしてきました。

今後は自分たち独自のノウハウを培っていくことはもちろん、次世代を創るベンチャー企業と協業しながら、ますます加速するデジタル化に対応すべく、新しい世界を創っていきます。TOPPANがベンチャー企業と創るミライにご期待ください。

SDGsの先にあるトッパンが目指すミライ「ふれあい豊かでサステナブルなくらし」