基本的な考え方TOPへ戻る

TOPPANグループの120年以上の歴史の中で、原点である「印刷術」が「印刷技術」に進化し、そこに様々な知識・ノウハウと加工技術が融合することで独自の「印刷テクノロジー」が体系化されました。その中で「情報加工」「微細加工」「表面加工」「成型加工」および「マーケティング・ソリューション」 を5つのコアテクノロジーとし、それぞれが独自性をもつ技術でありながら、それらを複合的に組み合わせることで、新たなソリューションを提供しています。
さらにコアテクノロジーの強化を図り、グループシナジーの最大化を図るとともに、お客さまや大学、スタートアップとの協創で新たな提供価値を創り出していきます。今後、さらなる技術の深耕と拡充を図り、グローバルでの社会課題解決に向けた新事業を創出し、事業ポートフォリオの変革を実現していきます。

研究開発体制TOPへ戻る

部門横断的に技術行政基盤を構築するミッションを担う技術戦略室、研究・新事業開発・戦略投資の機能を有し、破壊的イノベーション領域で新事業創出を図る事業開発本部、さらには事業会社の技術開発部門が相互に連携し、コアテクノロジーを軸にマーケットを見据えながら研究開発に取り組んでいます。
また研究開発を推進するにあたり、戦略的な知的財産の構築・活用やTOPPANグループのシナジー、さらにはお客さまや外部研究機関との協創を通じて、急速に変化する社会や環境に対応した価値創造を展開していきます。

研究開発体制
研究開発体制

総合研究所TOPへ戻る

「総合研究所」は1986年、埼玉県杉戸町に設立されました。TOPPANグループのセンター研究施設として、研究の総合化、異種研究者間のさらなる交流・技術開発の促進を目指すとともに、グローバル部門も含めたグループ連携を図っています。主に次世代の新技術確立を目指した基盤研究、技術に基づく創意工夫により高いオリジナリティや競争優位性のある商材を生み出す商品開発、高度な専門技術による事業部門への技術支援を行っています。
例えば新事業領域の研究開発として大阪大学大学院工学研究科松崎典弥教授と独自のバイオマテリアルを活用した3D 細胞培養技術「invivoid®」を共同で開発し、社会実装に向けて様々な研究を進めています。invivoid®を用いて、がん患者の手術組織から体外に再構築した3D組織、すなわち「がん患者アバター」が従来の抗がん剤評価で用いるマウスを代替できる可能性が示唆されています。国内ではがん研究会と複数の抗がん剤を暴露して得られた効果と、実際に患者に同じ抗がん剤を投与して得られた効果との比較を行う臨床研究を開始しました。また海外でも2023年10月から米国のMDACC(テキサス大学MDアンダーソンがんセンター)と免疫機能を付与した「がん患者アバター」をモデルとしてMDACCが研究を進めている新しい免疫治療薬の評価を実施しています。今後、この米国における研究活動を通じてCLIA認証を取得し、米国でのがん検査事業を立ち上げ、個々の患者ごとに最適な抗がん剤を選択するがん個別化医療の提供を目指します。

CLIA(Clinical Laboratory Improvement Amendments)は1988年に米国で制定された法律の一部で、米国の医療機関のラボで実施する臨床検査の品質が品質基準を満たしていることを証明するもの。これにより患者と医療提供者は、検査結果が信頼できることを確認できます
抗がん剤選択検査フローイメージ

新事業創出テーマTOPへ戻る

競争優位性のある「ビジネスモデル/テクノロジー」を核に、社会的・産業的課題に対応した新事業の創出を図っています。
例えば、水素と空気で発電し、水のみを排出するゼロエミッション発電デバイスである燃料電池は、水素エネルギー社会を支えるものとして世界中で注目されていますが、その燃料電池の中核部材であるMEA(Membrane Electrode Assembly)の開発を推進しております。
当社MEAの特徴は枚葉式で両面同時に触媒インクをコーティングする製造方式、高いエネルギー変換効率を実現する特殊材料を添加した触媒構造であり、多数の登録特許も保有しています。独自技術により高性能化、高耐久性、ユーザーへのカスタマイズを実現し、競争優位性を確保しています。製造設備は高知工場に設置し、2023年8月より販売を開始しています。MEAは水素を「つくる」以外にも「ためる・はこぶ」「つかう」にも用途展開が可能であり、今後全領域への提供を目指し、カーボンニュートラルの実現に貢献していきます。

水素エネルギー社会の様々な用途
※1
反応を進める触媒の選択
※2
ガスが透過する空孔の制御

ベンチャー企業への投資TOPへ戻る

2016年以来、国内外の有望なベンチャー企業60社超への投資を実行し、「『DX』と『SX』によってワールドワイドで社会課題を解決するリーディングカンパニーに」とした中期経営計画の達成に向け、ベンチャー企業と協働して事業活動を推進してきました。
また、これまで以上に海外での投資活動を起点とした事業開発を行うべく、2022年6月、米国にCVCファンドを設立。特に北米を中心とした、新たな環境配慮型サービスやプロダクトの開発技術を有する革新的なベンチャー企業との連携を推進しています。

研究開発人財の育成TOPへ戻る

2020年度より、人的資本の戦略的な活用によって技術力向上を実現することを目指し、全社の技術系スキルをもった人財について調査を行い、スキルの見える化を実施しています。
このスキルマップを基にデジタルスキルを保有する人財の育成等を進めています。例えばAIの活用やビッグデータ解析ができる人財の強化を図っていますが、特に研究開発においては効率的な材料開発に有効と考えられるマテリアルズインフォマティクス(MI)を活用できる人財の育成に力を入れています。

スキルマップ活用全体像

研究開発投資実績TOPへ戻る

事業ポートフォリオの変革実現に向け、 2020〜2022年度を「基盤構築フェーズ」、2023〜2025年度を「成果獲得フェーズ」と位置付け、2020年度より優先的に研究開発資源を投入する重点投資領域を定義し、新事業創出に向けた研究開発を進めています。
2023年度以降の成果獲得につなげるための種まきとして、社会課題や技術トレンドに対応した重点投資領域(右表)とそれを支える環境整備等の基盤構築の研究開発予算を強化し、技術力向上と事業創出のスピードアップを図っています。

ビジネスモデル・領域 主な研究開発内容
DX AI・IoT関連/自治体行政向けソリューション関連/
デジタルマーケティング関連/デジタルプラットフォーム関連/
BPO関連/スマートシティ・まちづくり関連 他
SX モノマテリアル関連/紙化対応/リサイクル・アップサイクル関連/
バイオマス関連/生分解材料関連 他
新事業 メタバース関連/ヘルスケア関連/3D細胞培養関連/燃料電池部材関連/
量子ドット/エネルギー関連/ゲノム編集関連/ロボティクス関連/
アグリ関連 他
次世代通信 FC-BGA次世代基板関連/センサ関連 他
基盤技術 材料・分析関連/サービス品質向上基盤関連/コンバーティング関連/
微細加工関連/AI関連/セキュリティ関連 他
研究開発費推移
2023年度 重点領域別研究開発費

TOPへ戻る