TOPPANグループのサステナビリティサステナビリティ推進体制
ガバナンス
TOPPANグループは、サステナビリティの課題に関する取り組みの推進を加速させるため、TOPPANホールディングス株式会社の代表取締役社長を委員長とするサステナビリティ推進委員会(以下、サステナ委員会)を設置しています。サステナ委員会は、コーポレートガバナンス体制の中に位置付けられ、グループ全体のサステナビリティ推進の役割を担っています。
1)取締役会およびサステナビリティ推進委員会
TOPPANホールディングスの取締役会はサステナ委員会に、TOPPANグループのサステナビリティ課題についての検討・審議を担当させています。サステナ委員会で検討・審議された具体的な取り組み施策は、経営会議を通じて取締役会に報告され、取締役会においてサステナビリティ経営についての総合的な意思決定を行っています。また、取締役会では、サステナビリティの取り組み施策、目標設定および進捗について、継続的に議論・モニタリング・監督を行っています。
2)TOPPANグループESG経営推進会議
サステナ委員会内に、TOPPANグループ事業会社の代表取締役社長および取締役をメンバーとするTOPPANグループESG経営推進会議を設置しており、グループ内のESG、SDGsテーマに関する議論を拡充させ、課題を共有し、解決に向け連携して取り組んでいます。
3)SDGs推進プロジェクトおよびコーポレートESGプロジェクト
サステナ委員会の下部には、部門横断で編成されたSDGs推進プロジェクトとコーポレートESGプロジェクトを設置し、各プロジェクトが連携しながら、個別テーマの対応・推進を担っています。
SDGs推進プロジェクトでは主に事業活動におけるサステナビリティの取り組みを推進し、事業活動マテリアリティとして定めている「環境」「まち」「ひと」の3つのテーマにおける注力分野「TOPPAN Business Action for SDGs」の活動推進と進捗確認を担っています。
コーポレートESGプロジェクトでは、主にTOPPANグループとしてのサステナビリティ課題を担当し、2023年度は、人的資本ワーキンググループ(以下、WG)、SCM(サプライチェーンマネジメント)WG、地球環境WG、リスクマネジメントWGが編成され、各テーマのプロジェクトを推進しました。
4)エグゼクティブ・サステナビリティ推進委員会
将来的なサステナビリティ課題について意見交換を行う場として、エグゼクティブ・サステナビリティ推進委員会を設置しています。外部有識者と取締役が意見交換等を行い、重要な課題についてはサステナ委員会と連携して、検討しています。
TOPPANグループ サステナビリティ推進体制

※2024年9月末時点
リスク管理
TOPPANグループのサステナビリティ課題についてのリスク管理は、TOPPANホールディングスの取締役会の管理のもと、主管部門、事業会社各部門とサステナ委員会の下部組織であるコーポレートESGプロジェクトのひとつであるリスクマネジメントWG※(責任者:リスク管理担当役員、メンバー:主管部門リスク担当者、事務局:法務本部コンプライアンス部)がTOPPANグループ事業会社各社と連携して推進する総合的なリスク管理に組み込まれています。
- ※
- 2024年9月末時点
2024年10月1日からリスクマネジメント体制の強化の一環として、リスク管理について討議する独立した委員会を設置する予定です
リスクマネジメントWGは、年1回のリスクアセスメントを実施し、TOPPANグループの経営に重大な影響を与えるリスクを「重大リスク」として特定しています。
「重大リスク」の特定にあたっては、主管部門が統括しているグループ会社事業(本)部各部門でのアセスメント結果および中長期視点での顕在化の可能性、発生頻度やインパクトの強弱等を踏まえています。「重大リスク」はTOPPANグループが事業を展開するグローバルな社会・経済環境の変化に加えて、気候変動に伴う環境問題、デジタル化の進展によるサイバー攻撃の巧妙化、強制労働をはじめとする人権課題等様々なグローバルリスクへの対応も含め、サステナビリティ経営推進の観点からも十分に検討されています。2024年度の「重大リスク」としては、「気候変動および生物多様性の損失に関するリスク」「事業の発展を支える人材の確保」「サプライチェーンに関するリスク」「人権リスク」等を含む、19項目が選定されています。
「重大リスク」は、サステナ委員会に報告・検討された上で、取締役会に報告され、検討がなされた上で決議事項として上程し、取締役会の管理のもと毎年見直されています。
また、「重大リスク」を含む様々なリスクが顕在化しないように、主管部門および事業会社各部門で対応策を検討し、国内外の事業活動に結び付けて適切なリスク管理を実施しています。取締役会は、そのリスクへの対応状況について、主管部門からリスク管理担当取締役を通じて定期的に報告を受けています。リスクが顕在化した場合には危機管理体制に基づき、迅速に対応しています。
サステナビリティ推進委員会の活動
2023年度は、サステナビリティ推進委員会は3回、TOPPANグループESG経営推進会議は2回、エグゼクティブ・サステナビリティ推進委員会は1回、それぞれ開催しました。
サステナビリティ推進委員会 会議議題(一部抜粋)
- WG2022年度活動報告
- WG2023年度活動予定策定、進捗報告
- 2024年度重大リスク審議、策定
- 外部有識者招聘による勉強会( テーマ:リスクマネジメント、サステナビリティ経営について等)
各プロジェクトにおける主な取り組みと今後の課題については、以下の通りです。
コーポレートESGプロジェクト
①人的資本WG
(主な取り組み)
- 「TOPPANグループ人権方針」の社内外周知と国内外のグループ会社も含めた社員向け教育の継続実施
- 「TOPPANグループ人権方針」に基づき特定した人権リスクを中心にTOPPANグループ(国内外172社)へ人権デューデリジェンスを継続実施
- 人権への負の影響を及ぼす可能性のある項目を確認し、国内8社・海外1社へ現地調査を行い、実態把握と改善活動を実施
- 人権リスク調査の回答分析と評価結果のフィードバック実施
(今後の課題)
- 調査結果に基づく、人権リスクの軽減・是正策の推進と情報発信
- 現地調査による各社との直接対話の機会拡充
- 外部団体との対話継続と、外部評価の活用
②SCM WG
(主な取り組み)
- 「TOPPANグループ サステナブル調達ガイドライン」をビジネスパートナーに浸透させるため、計画立案・対象選定、同意書・アンケート依頼、リスクチェック、フィードバック・是正のPDCAサイクルを推進
- 部門ごとに調達担当者への説明実施後、対象ビジネスパートナーを抽出・選定し、説明会を通して同意書・アンケート依頼と回収
- アンケートを集計、リスクをチェックの上、フィードバックを行い、取り組み内容の確認が必要なビジネスパートナー4社に対して、現地訪問しヒアリングを実施
(今後の課題)
- 「TOPPANグループ サステナブル調達ガイドライン」への同意と浸透に向けたPDCAサイクルの継続推進、範囲の拡大と質の向上
- 2025年度末までにガイドライン締結率90%(2023年度実績71%)
③地球環境WG
(主な取り組み)
- TCFDシナリオ分析の見直しと財務インパクトを更新、移行リスク、物理リスクへの対応を実施
- TNFD 最終提言へ賛同(アーリーアダプター登録)。当社グループの自然関連課題の整理(重点地域の特定と依存・インパクト評価)
(今後の課題)
- リスク・機会の特定、財務インパクト評価と対応策の策定、推進
- TCFD/TNFD提言に添った情報開示を基に各種媒体における開示の充実
④リスクマネジメントWG
(主な取り組み)
- 2023年度の重大リスクと対応計画の充実
- 2024年度の重大リスク検討と対応計画の策定
(今後の課題)
- 事業環境変化、グローバルリスク、情報セキュリティ、社会問題、環境問題等、外部環境の変化に対応したリスクマネジメント体制の構築
SDGs推進プロジェクト
SDGs推進プロジェクトにおいては、「TOPPAN Business Action for SDGs」の進捗状況を把握、年度の実績を公表するとともに、中期経営計画に即した目標達成の実現性や選定している指標と活動との整合性等について検証しています。また、社会のサステナビリティ関連ニーズの動向やTOPPAN グループが推進するDX、SX 関連の事業動向を俯瞰しながら、今後のプロジェクト活動内容や新テーマの検討を随時行っています。
サステナビリティ推進における今後の課題
「脱炭素社会」や「循環型社会」の実現、「生物多様性」等、グローバルな課題を解決する真のサステナビリティ企業を目指し、コーポレートESGプロジェクト、SDGs推進プロジェクトの両取り組みを加速するとともに、TNFD対応等、サステナビリティ領域の新たなテーマへの取り組みについても積極的に検討をしていきます。
また、ホールディングス体制下でグループ全体をリードしていくサステナビリティ経営推進の体制づくりを進め、グループ企業各社における活動の促進と相互の連携を強化します。
今後も、取り組みと開示を両輪として認識し、TOPPANグループ全体でサステナビリティ経営を推進し、事業推進を通じたグローバルな社会課題解決に挑戦していきます。